毎年夏休みになると、
娘の読書感想文を書くのを手伝います。
娘が本を読んだ後に、
マインドマップを一緒に書いて
まずアウトラインを理解します。
そのあと、
登場人物たちの行動、出来事について、
一つずつどう思ったのか感想を
ブレストしていって全体像をまとめます。
これをすることで、
小説の中で語られる「事実」と、
それに対する読者(娘)の「感想」を
一つのまとまり(流れ)として
理解することができます。
話は変わりますが、
先日、ある心理学部の大学教授の
話を聴いて驚いたことがありました。
その先生は学生によく読書感想文の
宿題を出すのだそうです。
すると多くの学生は感想ではなく
「あらすじ」を書いて提出してくるのだとか。
そこにはほとんど「感想」は入っていないと。
「著者はこういっている」
「登場人物はこのように行動をした」
これは「感想」ではなく「事実」です。
感想というのは、
その事実について見聞きした人自身が
「どう思ったか?」
「どう感じたか?」
です。
その話を聴いて、現代の若者の感じる力が
いかに弱っているかわかった気がしました。
しかもそれが、
人の心に関わることをやろうという
心理学部の学生だというのですから、
少し先が思いやられます。
でも、
その話を聴いたときさきほどの
娘の読書感想文を手伝っていた時のことを思い出し、
これは学生のせいではないのではないかと思ったのです。
そもそもなぜマインドマップなどわざわざ使って
読書感想文を手伝い始めたかというと、
それまで娘が自由に書いていた感想文は
まさに、その大学生たちと同じただの「あらすじ」だったのです。
それを見て感想文になっていないので、
理解しやすくするためにマインドマップと使うようになりました。
はじめ娘は「感想」を書くことに抵抗を示しました。
「だって、先生がこう(あらすじ)を書けって・・・」
なるほど・・・
さきほど私が心配していたような学生たちは、
すでに社会に出で教師になっているのでした。
娘は小学生ですが大学生であっても
感性が不足しているのは子供以前に、
それを教える大人の感性不足の問題なのです。
感情とは何かを体感的に理解させてもらえないまま育った
現代社会全体の病気なのです。
うつ病者は100万人をずっと超えて
「考えすぎの病気」なども言われますが、
社会全体が感じることよりも考えることを
優先しすぎてきた結果のように思えます。
感じる力不足は、現代人みんなが抱える
生活習慣病なのかもしれません。
これをお読みのあなたは、
感想文を書くことは得意ですか?
感想は感じる心がないと書けませんね。
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