くり返しの課題

傾聴の基本スキルである「くり返し」。

会話の中から、相手が使った

気持ちを表すワードを聴きとり、

感情を乗せてくり返す。

これが、なかなかできない。

私自身、いまではだいぶマシになったものの

最初の6年間くらい、いつも

自分のくり返しに「ビクビク」していた。

自身の経験も振替り、

くり返しが、上手に出来ない

理由をいくつか考えてみたいと思います。

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◆1.そもそも「感情のワード」が何かわからない
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原因1:「事柄」と「気持ち」の違いをクリアに理解できていない

原因2:相手の言葉から「感じて」理解しておらず「頭で」考えてしまっている

一般的に、感情を表すワードは

「形容詞」と思われがちですが、

形容詞だけではない。

むしろ、形容詞以外の感情のワードが多い。

たとえば、形容詞以外に、

「意味や価値を表す感情のワード」

「単語そのものは事柄だけれど、語調などのンバーバルな形で表現される気持ちのワード」

などがある。

感情のワードが何か?

感じとろうとする前に、

理屈としての理解も必要。

・・・

理屈も必要だけれど、

理屈だけで単語の仕分けをしていては、

相手の気持ちはわからない。

ここをどうつなげるかは「練習」が必要。

多くの人が

くり返しがうまくいかない原因は、

理屈で覚えた「単語」を

会話の中から聴きとり、

正しくくり返そうとするから、

心がこもらない。

単語として正しくても、

心がこもらないから歯が浮く。

しっくりこないから、くり返すのを躊躇する。

理屈は知ったうえで、

「考えながら聴く」→「感じながら聴く」

に変えていく。

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◆2.くり返すタイミングがつかめない
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原因:うなずき、あいづちで相手の感情に合わあせる「ペーシング」ができていない

うなずき、あいづちの目的を、ただ

「まじめに」

「誠実に」

「あなたの話を邪魔しませんよ」

という姿勢だけできいていたら、

くり返しのタイミングは一生とれない。

うなずき、あいづちは、

受け止めていることを伝えるだけでは足りない。

相手とこちらとが関わりあえるよう、

お互いがやり取りしやすい

ペースを作る。

・相手がテンポよく話しているのに、こちらはどっしりゆったり構えている

・相手がどんよりと話しているのに、こちらのあいづちは、プツプツと軽くたんぱく

では、関わりようがない。

傾聴は「コミュニケーション」に使うもの。

ただ「受け止める」ではない。

相手をわかるだけでなく、

「お互いに分かりあう」

のがコミュニケーションでしょう。

くり返しは、うなずき、あいづちと一緒にする。

(後ろにくっつく?)

うなずき、あいづちの時点で

相手の気持ちとあったペースが作れなければ、

その先にあるくり返しも、

伝え返しも、要約も、質問も、

より複雑だからうまくできるわけがない。

ポイントは、

(冷静とか限らず)

こちらの気持ちを実際に動かしながら

うなずき相づちを入れていく。

頭で「わかる」のではなく、

体でわかりに行く。

するとお互いのペースが出来てくる。

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◆3.相手が使った言葉を使わず、言葉を言い変えしてしまう
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原因1:自分が普段使わない言葉は言いにくい。自分に心地よい言葉に変えて理解した「つもり」になっている。(相手の気持ちからは離れる)

原因2:表現されてない気持ちの「先読み」「あてっこ」をしたくなっている。

どうしても

「あなたの気持ちを分かりたい」

と言いながら、いつのまにか

「私がスッキリ納得したい」

に目的が変わってしまいがち。

言葉遣いにはその人の心が表れる。

相手が使った言葉には、

その人の精神的な世界(感情)がよく表れる。

相手の世界、気持ちを理解したいなら

言い換えはしない。

相手が使った言葉を使いながら、

相手を理解しに行く。

こちらに、馴染まない表現ほど、

その人の精神席な世界(感情)が込められている。

言い換えをして気持ちがいいのは、自分。

また、

気持ちは「わかる」ことに意味があるのであって

言い「当てる」ものではない。

言い当てて、喜びたくなっている

自分の気持ちにも気付こう。

・・・

まとめると・・・。

・感情的に聴くのではなく、相手が発した感情のワードを聴きとる

・うなずき、あいづちで、受け止める+お互いがやり取りしやすいペースを作る

・考えながらではなく、感じながら聴く

・「上手に応答したい」「いい人とと思われたい」ではなく、「相手をわかりたい」に徹する

・言い当てて喜びたがっている、自分の心に気付く

くり返しに限らず、相手をわかり、

わかりあえる傾聴をしたいなら

知識だけでも、感情だけでもなく、

両方を誠実にやり取り出来るように練習しましょう。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「相手を理解したいなら、相手の使った言葉をちゃんと使えるようにすることからはじめる」

基本の型がまだないのに、

応用しようとすればそれは「型なし」。

守破離でいうなら、まず「10割」「守」をやる。

10割「守」を目指していると、

そこに到達したことろに、

自然とオマケで「破」と「離」が見えてくる。

はじめから「破」るつもりで、

「守」をやっていては、型は身につかない。

基本に素直に染まる、素直な心が必要。

傾聴の質にも、

実によくその人の心が表れる。

人間関係は、自分自身が映し出されている

ただの鏡と思えば間違えない。

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うなずき、あいづちの意味を知り、

練習をしたい方は

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