書斎で仕事をしていたら、
5歳の息子が居間からやって来てこういった。
息子「『水枕』って知ってる?」
私「頭にしくやつ?知っているけど、水枕がどうした?」
息子「作りたい。」
・・・そう言って、
どこで覚えてきたのか、
(それとも妄想しているだけなのか)
息子が「知っている」水枕の作り方を話し始めた。
息子「まずぅ、四角いカサカサの袋をぉ(ビニール袋)、二ついれてぇ(二重にして)。おみじゅ(水)を入れてぇ、袋をぉ、折ってぇ、こうやってクルクルって巻いてぇ、セロテープでとめると、できるんだよぉぉぉ。作っていい???」
どう聞いてもムリそうだが・・・、
これが味噌汁やカレーを使って作ろうというのなら
全力でとめに入るところだが、
たかが水ていどならいいかと思って
「作ってごらん」と言ってみた。
息子は嬉しそうに「うん」といって、
書斎をあとにした。
まず、ここで思ったのは、
子育ての経験がある人ならわかることだが、
「子供はできるだけ自由に育てよう」
などと言うけれど、
「基本的にはムリ」
ということです。
1日の仕事や家事で疲れている時に、
さらに上乗せして余分な仕事が増える状況を
甘んじて受け入れられたとしたら、
それは奇跡だと思う。
日々、運動会のような子育ての中で、
そんなムリな自由を叶えてあげられるかどうかで
いちいち悩む必要などない。
無理なものは無理。
それでおしまい。
その時に、
「子供を自由に育ててあげられていない私(親)はダメだ…」
なんて自分を責めないことだ。
自分を責めたら、責めた分だけ
元気が出るというならそれもいいけれど、
私はますますイヤになるだけなので、
できない自分を責めないことにしている。
そんなことよりも
「水ならまぁいいか」
と、100回のうちで、ムリないときに一回でも
認めてあげられたなら、
それができた自分に丸をつけて
ほめてあげたほうがよっぽど気分が良くなるのではないか?
できない自分にバツ(×)をつけるのではなく
できた自分に丸をつける方が、
明日へのエネルギーが湧くのではないか。
また、
実際に、何を学習するかはその子次第だが、
できない親が自分を責めれば、
子供はその姿を見て、
「できないことはいけないことだ」
と、学習をする機会を得ることになるだろう。
するとそっちの方がよほど、
失敗を極端に恐れたり、
行動の欲求を抑えたり、
失敗を隠すような自由ではない
子供が育つのではないだろうか?
逆に、
親が自分に丸をつけていれば、
それを見て、バツをつける(減らす)より
丸をつける方が
「楽しい大人になれそうだ」
と感じやすくなるのではないか?
親が自分に正しさを求めれば求めるほど、
子供にも正しい子供でいなさいという
無言の圧力をかけることになるのではないか?
私はそれがイヤなのもあって、
余裕がない自分も責めないことにしていて、
そのほうがとても気分がいい。
きまぐれにな自分を許していると、
(いうことが変わるので)
その姿を見て子供が困惑する
場合ももちろんあるだろうが、
自分が気まぐれであることを自分に許していると、
子供が気まぐれであることもをまた許しやすくなる。
私が楽な分だけ、子供が楽になることを
本気で支援できる感覚がある。
「正しい親でいよう」とさえしなければ、
子供が正しさよりも、喜びを増やして生きることを
認めやすくなる。
子どもの自由をより認められる。
・親が自分に正しさを求めれば、正しい大人になりなさいというメッセージを伝えることになる。
・親ができない自分を責めれば、子供にも自分を責めた方がいいというメッセージを伝えることになる。
・親が自分に自由を認めれば、子供も自由を認めていいというとは何かを学ぶ機会を得る。
・親が出来ない方より、できた方を見て自分を褒めているると、子供は自分を責めるのと褒めるのどちらが得かを考える機会をえる。
・子供に「大切な何か」を与えたいなら、親自身がまずその生き証人として「大切な何か」を実践している姿を見せれば、その姿を見て子供は大切な何かをどうしようか考える機会を得る。
子供は親が言われたことからも確かに学ぶ。
でもそれ以上に、
親が自分自身とどう付き合っているのか?
その姿を見て学ぶもののほうがよほど多い。
・・・
あなたは大切な人に何を伝えたい人ですか?
「ダメな自分を責めましょう。」
「いけないところを治しましょう。」
「日々、反省しましょう。」
を伝えたいですか???
あなたがそれを大事にして生きていると、
子供にも同じように生きなさいという
メッセージが伝わりやすくなります。
「ダメなことがあっても、できたことを褒めればいい。」
「ありのまま生きましょう。」
を伝えたいなら、
子供への言葉づかいや、態度を変える以前に、
自分を本気で愛して見せるのが一番、
説得力があると思いますよ。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「いつになったら私は、私を愛すると決めるのだろうか?」
5分後にもどってきた息子がいいました。
息子「やっぱりこぼしちゃった・・・。でも半分ティッシュでふいたから、あと拭いてぇ。」
私「キッチンの棚にタオルあるでしょ。あれ使っていいから、タオルで拭きな。」
息子「うん!」
失敗してもちゃんと自分で片付けようとしたし、
報告に来てエライなと息子を心の中でほめた。
でも、
次の瞬間、それは間違いだったことに気が付いた。
「私はいま、息子をほめたのではない。息子からちゃんと相談と報告してもらえた自分をほめたのだ」
と。
・・・
そして、もう一つ大切なことがある。
たしかに、
息子の自由を認めてあげられた時に、
私は自分に丸をつけて上げやすくなる。
でも、そのことさえ分かっているならば、
それは
「毎回できなくてもいい。」
なぜなら、
「愛がない状態を知っていてこそ初めて、愛せている状態がないかがわかるのだから・・・。」
そう心の中で呟いて、
いつもは優しくできない自分を許せた自分に
またひとつ丸を付けた。
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