人間の意識はときどき、「わかりたいのか?」「わかって欲しいのか?」
無意識の中で混乱が起きているときがある。
・・・
地下鉄の空席に座ったら、左横にスーツを着た
30代くらいの男性が座っていた。
冊子を広げ、シャーペンを持ち、
なにかの問題集を解いている。
「暇なサラリーマンが、クロスワードパズルでも解いているのか?」
そう思い、そっと横に目をやると
四角形の面積や、分数の計算と向き合っていた。
ページをめくる瞬間に、冊子の表紙が見えた。
どこかの塾の、小学4年生用の問題集のようだ。
冊子は、ページにして20ページ(10枚)足らず。
かなり薄い。
問題の正解を、シャーペンでどんどん書いていく。
「なんで解いてるの?」
疑問が湧き上がってきた。
「塾の先生か?」
でも、見ると、
どうもわざと、字を汚く書いている模様。
まるで子供の字のように・・・。
「子供に代わって、解いている」
という確信が80%を越えた。
いつも誰にでも気軽に声をかけがちな、
さすがの私も、かける言葉が見つからなかった。
彼が問題集を終える前に、目的の駅に着いた。
謎を抱えたまま、そのまま電車を降りた。
・・・
人生には気になっても、理由がよくわからないまま、
モヤモヤを抱えて生きないといけない時もある。
気持ち悪いが仕方がない。
引きこもりの子をもつ、あるお母さんがこういった。
「うちの子、力になるから何でも話してというのに、何も話してくれないから、子供の気持ちがよくわかりません。」
でも、私には、その子供の気持ちがよくわかる。
「いまは、お母さんと話したくない」
と、いう気持ちが・・・。
話して欲しいのは自分の方で、
相手は特に話したいとは思っていなかったりする。
「あなたのことをわかって欲しい」
という言葉の裏には、
「私を納得させてほしい」
が含まれていたりする。
つまり、
「わかりたい」
のではなくて、
「わからせて欲しい」
が本心だったりする。
・・・
大切な人がずっと黙っているなら、
ときどき気にかけて声をかけてあげるのがいい。
でも、それでも何も語れない時は、
無理に話させようとするなら、それは自己都合。
「語りたくない気持ちなんだなぁ」
と、そのままを認めてあげることが、
「気持ちをわかってあげる」
ということになる。
あなたは「わからせて欲しい人」ですか?
それとも、
「わかってあげたい」人ですか?
自分の心の本心と、よく対話してみましょう。
自分の心の声さえちゃんと聴けない状態では、
他人の心の声を受け止めることはできませんね。
もし、あなたがいま誰かとの関係に悩んでいるのだとしたら、
その原因は一部は、
もしかしたら、そこにあるかもしれません。
よかったら、自分の心の声から先に
聴いてみてあげてください。
<お知らせ>
自分の心の声に誠実に耳を傾け、
人の心の声を誠実に聴こうとする聴き方。
傾聴1日講座。
7月20日、22日大阪でお会いしましょう。
↓
http://bit.ly/2qvtDuo