相手の立場で考えるには

相手の立場と自分の立場は、同じだったり違ったり、

似ているけれどちょっと違ったり、ちょっと同じだったり。

いったいどうやって付き合っていけばいいのだろうか?

・・・

特に味は好きでもないけれど、

マクドナルドによくいく。

おそらく週に4日は行く。

家だと集中できないので、

集中したいときによく使う。

とくに、近所の店舗は新しく、

2階建てで大きくてきれいだから居心地がいい。

昨年のナゲットの不祥事の際は、

閉店しないかと心配なほど客が減っていたけれど

春くらいからかなり客は増えてきた。

それでも、ゆとりをもって

過ごせるスペースがあるのがいい。

電源もふんだんにあるのもありがたい。

仕事が8割だけれど勉強も、

読書もここでよくやる。

ハンバーガーなんて一日に

2個も3個も食べれない。

だから場所代替わりに、

100円のコーヒーやドリンクを

ときどきレジに買い足しに行く。

マックでも家でも、

コカ・コーラの0kcalがお気に入り。

・・・

先日、マックでレジにそのコーラを

買いに行ったときのこと。

学生アルバイトらしい若い男の子から

コーラを渡されたとき「違和感」を感じた。

「コーラで違和感???」

自分の中を探ってみると、

すぐにその違和感の理由がわかった。

「手が逆」なのだ。

私は手が「右利き」なので、

飲み物のカップは「左手」でもつことが多い。

(右手でストローをささないといけないから)

だから、コップを受け取るときも

「左手」が受け取りやすい。

飲み物に限らず、物を受けとるときは、

左手が受けとりやすい。

ところが、その男性店員は、

私の「右手」にコップを差し出してきた。

・・・おそらく、

男性店員自身が「右利き」だったんでしょうね。

ふと店員の胸元を見ると、

「新人」であることわかる印がついていた。

逆を言えば、

ベテランの店員さんたちは、もしかしたら

こちらが自然と受けとれるよう、

自分は右にコップをもって、

お客さんが左手で受け取れるように

配慮している可能性がある。

あるいは、

直接手渡しせず、カウンターの上に置いて、

自由に取る手を選んでもらっているのかもしれない。

もっと強者になれば、レジに来た瞬間に

顧客のしぐさから利き手を読みとって、

受け取りやすいほうの手に渡している可能性もある。

とにかく、いままで違和感を感じなかったということは

自然に渡す工夫がされているに違いない。

(次回行ったときに、確かめてみよう)。

気の利いたサービスというのは、

相手が気づかないところで出来てこそ本物ですね。

それはともかく、

・・・

「相手の立場になって考えよう」とよくいう。

まさにコーラの渡し方一つとっても、

相手の立場を考えることはできる。

「相手の立場になって考える」とは、

まずは、

「相手に見えている世界を疑似体験してみること」。

新人男性店員がもし、自分がコーラを

「受けとる側」であることをリアルに想像できれば、

私の右手にコーラを渡すヘマなどしないだろう。

まだ慣れるのに精いっぱいで、

相手から見える世界を見る余裕がないから

自分本位にならざるを得ない。

・・・

傾聴でいう「相手を理解する」というのも全く同じ。

自分の立ち位置から想像するのではなく、

いま自分には見えていない、

相手の立ち位置から見ようとする。

いま見えていない物を見ようとすれば、

当然、見えている相手によくよく

何が見えているか聴かないと分からない。

だから、話をよく聴く必要がある。

そして、

聴きながら「そういう風にこの方には見えているんだ」

と、現象的かつ心理的に理解することが

「相手の気持ちがわかる」

ということ。

また、

相手の世界が見えたと思ったときに

注意点が一つある。

それは、

「それだけが正解とは限らない」

ということ。

利き手は右手の人が多いから、判断しやすい。

でも、自分が右利きだと、

左利きの人の気持ちはわからない。

相手は左利きかも知れない。

相手の立場で理解するためには、

見える世界を共有するだけでなく、

感じ方まで共有できないといけない。

つまり、

コップを受けとるのは、

右利きの人は左手の方が違和感がないが、

左利きの人は右手の方が違和感がない。

「違和感の有無」

「スッキリ感」

が同じかどうかが、最終的な判断基準。

・・・

見えている世界を理解してから、

そこから感じている物を理解する。

それが相手の立場が分かるということ。

自分から見えている狭い価値観の中で、

分析して、過去の体験に当てはめて

理解しようとしても無意味。

いま目の前で起きている現象そのものに興味を持ち、

いま目の前の人との「共通点と相違点」

の両方を理解しよう。

・・・

カウンセリングや傾聴で、

なぜ自己理解が大事というのは、

相手と同じになるためではない。

自分という人間の感覚をよく理解することで、

自分と他人との境界線を明らかにできる。

自分と相手の違いをよくよく理解するためには、

基準となる自分のことが

わかっていないと線が引けない。

だから自己理解が大切。

そんなこともあって、

C.ロジャーズはロチェスター児童相談所

時代に書いた最初の著書の中で、

「共感」について「客観性」と説明したのでしょう。

相手の立場に立って理解するには

自分の価値観、感覚をよく理解する。

自分と相手の同じところと、

違うところの両方が明らかにあることを理解する。

そうすれば、

同じところには「気を使い」、

違う部分は「認める」ことが

自然と出来るようになる。

「共通点と相違点」

この両方理解できて

初めて相手の立場が理解できたといえる。

あなたは、

本当に相手の立場で物事を考えられますか???

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「共通点と相違点を明らかに理解する」

相手についてよく理解したいなら、

基準となる自己理解から始めましょう。

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