大阪に来るようになって、
一番おいしと思ったのは、たこやき
・・・ではなくて、「塩焼きそば」!
こんにちは、
日本傾聴能力開発協会代表の
岩松正史です。
きのうから、今月2度目の
大阪入りをしています。
一年のうち、30日弱を大阪で過ごしています。
仕事で定期的に大阪に
来られようになって喜んでいます。
大阪に来るようになった当初、
ハマったのが「たこ焼き屋巡り」。
地元の友人にも教えてもらい、
たこ焼き屋をハシゴしました。
でも、
最近、食べた中で衝撃的においしかったのは
「塩焼きそば」です。
こう言っては失礼ですが、
前回、なんてことはない、
普通のお好み焼き屋さんにみんなで入ったとき、
たまたまた頼んでみたのが、塩焼きそば。
これに感動!
大阪ならどこでも食べられるか
どうかは知りませんが、
私の行動範囲内にあるお店で、
食べることができます。
だいたい、
世の中に「塩焼きそば」という食べ物が
あること自体を知らなかったので、
初めて食べた時の衝撃は、
ものすごいものがありました。
「塩だれ」を使った焼きそばです。
・・・
気になったらハマるタチ。
帰宅後も、自宅でそれを再現したくて
たまらなかったのでした。
先日、スーパーに買い物に行ったとき、
「塩だれ」を思い出しまして。
売り場を見に行ったら、関東でも
一種類だけありました。
迷わず購入。
大阪で食べた塩焼きそばの麺は、
普通のソース焼きそばに比べて、
太目で柔らかかったので、
スーパーで比較的似たものを購入。
その日の夕食は、
子供たちと塩焼きそばにすることにしました。
でも、6歳の息子に、そのことを伝えたら・・・。
「焼きそば、キライ!」
と(涙)。
・・・たしかに。
ラーメン以外は、麺だけでなく、
小麦粉料理も全般的に好まない息子が
不満を露呈。
でもすでに材料もあり、
なにより私が作りたいので、強硬突破。
人生で初めてつくる塩焼きそばを、
恐る恐る息子に差し出しました。
父の顔色をうかがいながら、
食べようとする息子に、気を使わせては悪いと、
片づけをしているフリをして、
息子の視界からフェードアウト。
つぎの瞬間、一口食べた息子の口からのひと言。
「おいしい!」
最初は、おべっかかと思ったけれど、
今度は堂々と息子の前に座り、
食べる様子を見ていたら、
ガツガツ食べる。
父がそうであったように、
息子が人生で知っている焼きそばは、
唯一ソースの焼きそばのみ。
常識を覆したようで、気に入ってくれました。
すぐに食べ終えて、自分からフライパンに
お代わりを取りに行って
山盛りに食べてくれたのでした。
・・・
焼きそばという言葉を聞いただけで
焼きそばを分かったつもりになってはいけない。
私も初めて、塩焼きそばを食べた時、
「しょせん、焼きそば」
と思って食べたら、裏切られた。
これは、日常会話にも通じる。
たとえば、
自分が知っている話題が
相手の口から出たからと言って、
わかったつもりになって、
会話に口出しをしてはいけない
仮の目の前の人が「やきそば」といったからと言って、
その人が伝えたいのは、
ソース焼きそばのことなのか?
塩焼きそばのことなのか?
わからない。
それに、
「塩焼きそば」
といったからと言って、
自分が知っている、塩焼きそばのことと
同じとは限らない。
また、息子は、私のお手製の
塩焼きそばをおいしいといった。
でも私は、大阪のお好み焼き屋で、
もっとおいしい塩焼きそばがあることを知っている。
でも、息子にとっての塩焼きそばは、
私の手作りのものしかない。
息子にとって、塩焼きそばはこの世に1種類しかない。
もし、相手の立場に立って話を聴くなら、
自分が知っている大阪の塩焼きそばの
話など出しても意味がない。
「塩焼きそば」というキーワードに触発されて、
相手が知らない、自分だけの知識や経験を
披露して話してしまったら、それは会話泥棒になる。
・・・
言葉には、その人にわかる範囲がある。
言葉には、その人にとっての意味がある。
言葉には、その人独自の世界がある。
話を聴くとは、言葉を聴くことではない。
単語を理解することでもない。
単語に触発されて、自分の意見を引っ張り出すことでもない。
話を聴くとは、
その人にとっての独自の言葉の意味を理解すること。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「言葉ではなく、言葉の持つ意味を聴き取る」
私は、
塩焼きそばをお代わりしてくれた息子をみて、
うれしくなって、塩焼きそばを語りたくなった。
「大阪に、おいしい塩焼きそば屋さんがあってね・・・」
と言いかけた。
でも、次の瞬間、
自分の皿に盛ってあった塩焼きそばを口にほおばり、
塩焼きそばと一緒に、
飲み込んだ。
それを言ってしまえば、
それは「私をほめて!」という
メッセージが伝わってしまう。
それはしたくなかった。
私をほめて欲しい欲求もあるけれど、
それ以上に、おいしいと食べてくれている
息子の世界のそばにずっといたかった。
その気持ちのほうが勝った。
うれしくなったときほど、相手の気持ちを大事にしたい。
私はそうしたい人間だ。
私は、「自分の願いを叶えるために」、
大阪の塩焼きそばのことなど知りもしない、
いま目の前の息子の、おいしいという
気持ちに寄り添う道を選んだ。
私は息子の気持ちを大切にし、
同時に、自分の気持ちも大切にできたと実感した。
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