いつもありがとうございます。
サルならばニホンザルより、リスザルが好き。
オジサンな見かけによらず、小さくて
かわいいもの好きな、岩松正史です。
6歳の息子はそろばん塾に通っている。
妻が行かせ始めたものだけれど、
本人も出来ると、意外と楽しいようだ。
塾は大型ショッピングセンターの
最上階に入っているから、
車を止めるにも、待つにも便利でいい。
・・・
ある日、塾の待ち時間、
1階のパン屋に併設された
飲食スペースで、コーヒーを傍らに置き、
パソコン仕事をしながら待っていた。
横のテーブルに母娘かいる。
女の子は小学1年生くらいか。
ゲーム機と向きあって、
ずっとしている。
その娘に向かって母は、
ずっと途切れることなく、
話しかけ続けている・・・。
娘はときどき反応する。
でも、基本的には、うっとうしそう。
たまに沈黙にもなるけれど、
5秒待てずまた母は、
適当な話題を見つけては話しかける。
娘1対、母100くらいの比率で
母がずっと話し続けている。
「この人の会話の蛇口を閉める栓は持っていなさそうだ」
心の中でつぶやいた。
娘が何を応えようと、母はとにかく
娘の言葉に応答するのではなく
娘の返事に触発されて
つぎつぎ湧き上がってくる
自由な思いを自由に浴びせかける。
・・・まさに
「浴びせかけている」
という表現がぴったり。
それでもゲームの方に熱中する娘の姿は、
母からの言葉という洪水から、
必死に自分を守ろうと
しているようにも見えた。
これだけ賑やかな母に育てられた子は、
どんな風に育つのだろう?
ちょっと興味がわいた。
・・・
沈黙が苦手な人がいる。
私だって、怖い人、怒ってくる人と向き合って
沈黙になったら怖い。
でも、そういう特殊なシチュエーションでなくても、
沈黙が苦手な人がいる。
沈黙もその人にとって大事な世界。
だから、沈黙はそのまま
付き合ってあげるのがまずいいだろう。
沈黙にはわけが、必ずあるのだから。
娘がお母さんと向き合わず
ゲームとだけ向って
沈黙しているのにもワケがある。
振り向かせたいから
声をかけているのだろうが、
ずっと声をかけているから
振り向いてくれないのかもしれない。
そしてもう一つ。
お母さんがずっと、途切れることなく
話しかけ続けるのにも、ワケが必ずある。
話しかけている内容そのものには、
特に特異なもの感じない。
よくありがちな日常会話の域。
でも、
20分も30分も、ずっと
話し続けている。
ならばそこにも何かワケがある。
娘は「黙らザル」を得ないワケが、
母は「話さザル」を得ないワケがある。
そう思って外からみると、
いま目の前で展開されている
母娘の光景は、両者にとって
「素晴らしい関係」
かどうかは別として、
お互いの必要を満たすという意味で
「いいバランス」
がとれているように見えた。
・・・
相手の気持ちを聴くということは、
状況を見て、問題点を指摘し
修正しようと試みるすることではない。
相手の「ザルを得ない」を理解し、
「ザルを得ないんだなぁ」
と、そのままを受け止めること。
あなたは「ザル」に寄りそいながら
聞くのは得意ですか?
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「気持ちがわかるとは、ザルを得ないに寄りそうこと」
傾聴の祖、米国の心理学者
C.ロジャーズは傾聴するときには
「受容、共感、一致」
の3つが大事と言いました。
中でも「一致」が一番大事だと。
「一致」とは、一言で例えるなら、
「自分に対する受容と共感」。
もしこれをお読みいただいている
あなた自身が、すぐに意見や指摘を
したくなるタイプだったとしたら、
ほかの人の話を聴く前に、
その「言いたくなる自分」
はどこから来るのか?
自分の言わザルを得ない気持ちを、
受容、共感しながら傾聴する練習も
してみていかがでしょうか?
自分に傾聴できさえすれば、
他人にも当然、傾聴しやすくなりますよ。
<お知らせ>
1月の傾聴1日講座。
1月10日、20日飯田橋開催
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