数年前、四国で傾聴講座を1泊2日でホテルで開催したことがありました。
午前中に飛行機で移動して午後から講座が始まりました。
そこに50代のお母さんと30歳前後の娘さんが参加していました。
一緒にご商売をされているそうです。
一緒に来るくらいなので仲が悪いわけではないのですが、お互いはっきりモノを言う性格もあり衝突することもしばしばあるといういうことで参加されていました。
1日目はテキストの半分、基本的な知識とうなずきあいづち、そしてくり返しを少しやったところで終わりました。
2日目、8時半の開始に合わせて早めに会場で準備をしていたら、娘さんが「岩松さん!」と大きな声を上げながら近づいてきました。
何ごとかと驚いている私に娘さんが言いました。
「わたし昨日の夜、お母さんの話が聴けたんです!」
どういうことかと詳しく聴いてみると事情が見えてきました。
前の晩、2人はホテルの同じ部屋に泊っていました。
そこでまた些細なことから言い争いが始まりそうになったのです。
いつもなら既に反論していたところですがその時娘さんは思いました。
「せっかく習ったばかりだから、傾聴を使ってみよう」と。
自分なりに傾聴で聴きながら娘さんはこう感じたそうです。
「あー、お母さん言いたい放題言ってるわ・・・」
いつもなら既に言いあいになっているはずのその場面で、いつもとは違う関わり方ができている自分に気付きました。
そう思えた瞬間、反論したい気持ちがなくなっていることに気付きました。
「いま私、お母さんの話が聴けている!」
もちろんたった1日習っただけて傾聴の技術が完璧に身についているわけではないでしょう。
聴こえ方少し変わっただけでもいままでまったく違うコミュニケーションになることがあるのです。
これも聴く耳ができたおかげです。
※原文からの抜粋なので、書籍とは内容が異なります。
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