台湾最終日の朝、この文章をホテルで書いています。
今回初めて開催した台湾での傾聴講演会と、研修会は大成功でした。
国境を越えても、言語の壁があっても
「言葉は心をあらわす」
そこに違いはないと確信した次第です。
今回、講義にあたり、様々な準備をしました。
中でも大変だったと思うのは、私が日本から送った資料とテキストを
現地スタッフの方が中国語に翻訳してくれたことです。
資料を送ったのが4、5日前と直前だったので講演用と研修用、2つの翻訳は、さぞ大変だったと思います。
テキストの翻訳と当日の同時通訳、両方担当いただいたチャオ・イーさんと黒木さんに感謝です。
・・・
テキストは現地スタッフの方が準備してくださったのですが、私も準備したことがあります。
それは当日「話す言葉」です。
テキストはあくまで資料、実際当日は生で私が話すわけです。
当然、テキストを朗読するわけではないので、様々な表現を使います。
なので出番の前に、講義中に使いそうな言葉だけれども、もしかしたら現地の方には
わからないかもしれない単語を事前にリストアップして、通訳の方が困らないように確認しました。
たとえば、
「引きこもり」という言葉は日本では誰もが知っていますが、台湾にもあるかどうかわかりませんでした。
(あるそうです)
そして、講義中はできるだけ確認が取れている言葉を忠実に話すようにしました。
一例ですが、以下のような言葉がありました。
・共感
・日常会話
・話題
・やっと
・だけど
・認知
・最高
・精神分析
・認知行動療法
・精神疾患
・パーソナリティ障害
・心理カウンセリング
・同感
・引きこもり
・パーソナリティ変化の必要十分条件(論文の名前)
・形容詞
自分が逆の立場だったならどこに引っかかりそうか?
出来る限り相手の立場に置き換えて想像し事前に確認をしておくことで、
通訳上のトラブルは全くなく終えることができました。
・・・
「自分を相手の立場に置いて・・・」
傾聴でもよく言われますね。
でもその時は、「立場の置き方」を間違えないよう注意が必要です。
「相手の立場で考える」ときよくある勘違いは、「状況だけ」相手の立場で考えようとすることです。
今回私も「私が通訳するなら」と状況ももちろん、相手の勝ち場と置き換えて想像もしました。
でも、もっと大事な「相手の立場」はそれではありません。
ポイントは2つあります。
1つ目のポイントは通訳をする人は、
「何に不安を感じる人がいるだろう?」
「どこ言葉が心に引っ掛かってしまうだろう?」
という風に、状況ではなく、状況から感じる
「心の引っ掛かり具合を相手の立場こうとする」
ことです。
そして2つ目のポイントです。
その際、ただ自分を相手の立場に置こうとするだけでは足りません。
自分以外の様々な人を想定し
「自分と違う人ならどう感じるだろうか?」
を一緒に想像して対処しました。
つまり、相手の立場に立ちたいなら
「自分と違う人ならどう感じるだろうか?」
を考える。
この2つが自分を相手の立場に置くときの大切なポイントです。
多くの人は「自分が相手の立場だったら」で考えてしまうんですね。
そうするといつまでたっても自分のフィルタ(準拠枠)を超えることはできません。
相手の立場を理解したいなら、自分と同じに考えない。
これを徹底してみてください。
・・・
相手の心の引っ掛かりに注目していけば、相手の立場に近づいた対応ができるので、
聴くことも、話すこともやることはまったく同じことなんですね。
私が話し上手かどうかは別として、聴き上手は話し上手というのはあながち間違いではないと思います。
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