正しいほど間違ってしまうこと

ある日、120%くらい人がつまった満員電車に乗っていた。

駅につき降りるとき、人が怒涛の勢いで流れていく。

その時、近くにいた50代のサラリーマンが大声で叫んだ。

「押すなよ!」

目はそのサラリーマンのすぐ後ろにいた男性に向行けられていた。

確かにそのサラリーマンは男性に推されていた。

でも、はたから見てすぐわかったのは、サラリーマンを押す形になってる男性もまた、
後ろから押されて致し方なくそうなっているだけだった。

男性は「仕方ないだろ」という表情を一瞬浮かべたけれど、特に謝罪も反論もせず。

叫んだサラリーマンも言いっぱなしで、お互いホームの人混みの渦に消えていった。

その様子を見て、思った。

「正しいけれど、間違っていることってあるよな」。

・・・

何か人に言ってやろうと思うとき、その意見は正しいことが多いでしょう。

でも相手の背景理解せず、意見することほど簡単なことはありません。

ただ思ったことを言えばいいだけですから。

でもその人にはその人なりのやむを得ないワケがあります。
(聴いても理解できないことがあったとしても)

ワケを無視して自分の立場だけで伝えれば、言ってやった分スッキリするかもしれません。

でもそのかわりに、相手を責めた分だけ関係性は確実に壊れます。

関係が壊れたのは、相手が間違った行動をしたからではなくこちらが相手を
理解しようとしなかったことが原因です。

電車で出会った人はもう二度と会わないから言いっぱなしで終わりにしても困らないでしょう。

でも、もし相手が家族や仕事で会う人たちだったらどうでしょうか?

関係がそれ以降も長く続きます。

正しいと信じることを主張することは簡単。

でも、一つの正しさを主張することで、別の何かが「間違った」方向に行くなら、
そもそもそれは自分が望んだ形になっているのか?

一方的に正しさを主張しておいて、関係性が壊れた原因まで相手に押し付てしまってはいけません。

正しいことを言いたいなら、その前に別の何かが間違った方向に行く可能性を
理解して言ったほうがいいですね。

それは自分の責任です。

信念は大事です。

でも、自分の立場を主張するときでも相手の主張もぜんぶ聴いてから主張しても、
別にこちらが何かを失うことはないわけではありません。

主張するなら、相手の主張もぜんぶ聴いてからでないと

結局みんなが嫌な思いをしておしまい。

自分の正しさだけ伝えたいなら、それは相手をただ言い負かしたい心理でしょうか。

一方的に自分の正しさだけ伝えて、関係を壊している・・・。

そんな場面は日常生活でよく目にすると思いながら、電車を降りた人たちで混雑する駅のホームを
押しつ押されつ進んだのでありました。

正しいけれど間違っていることは、他にもたくさんありそうです。

<お知らせ>

自分も空いても大切にする聴き方の基本は
傾聴1日講座で学ぶことができます。
人間関係に自信が持てない方にお勧めの講座です。
 ↓
http://bit.ly/2qvtDuo




logo1

■ 傾聴

傾聴1日講座(基礎) /毎月開催中
認定傾聴サポーター養成講座 /毎月開催中

■ 無料メール講座

傾聴のつぼ入門編
記憶のつぼ入門編

■ 岩松正史の記憶法関連

初心者のための記憶術
アクティブ・ダイエット

■ 著書

聴く力の強化書 /3刷 自由国民社

■ メルマガ

メルマガ「毎日2分!傾聴三昧」

■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)

PAGE TOP