あなたは夏休みの宿題を、
早く終わらせたほうでしょうか?
私は結構、休みが終わる
ギリギリになってあわてて
やっていた方であります。
なので「夏休み」という単語を聞くと
「楽しい」より「宿題」というワードが
ぱっと頭に浮かんできます(苦笑)。
本当は宿題など夏休みが始まって
すぐ終わらせてしまえばあとが楽なのは
知っていたのですがさぼりたい気持ちが優先して、
なかなかそうする気にはならなかったのでした。
「先に終わらせてしまうと楽なのに・・・」
・・・と、「思い込んで」思っていました。
ところが最近、必ずしも
「先に終わらせてしまうから楽」
なのではないことに気が付きました。
どういうことかといいますと・・・
先に終わらせてしまうと楽なのではなくて、
(意外かもしれませんが)あとでも先でも、
実は楽にできる方法があるのです。
それをわかってからは、
結構仕事をためはしないですけれども、
「先延ばし」
します。
以前の私なら、
先にやらなければいけないことがあると、
そのことが気になって仕方なくなっていました。
こんな経験があります。
講師業を始めて間もないころ、
偶然、一部上場の電機メーカーさんから
管理職研修の依頼を受けました。
うれしかったのですが、
まだ慣れていなくて、
ものすごいプレッシャーだったんですね。
研修はまだ2か月も先なのに、
依頼を受けた日からずっと、
その研修のことばかり気になって
落ち着かなくなりました。
ちょっと落ち着かせようと、
早めに研修の内容を考えたり、
資料を作ったりしてみたのですが、
やればやるほど翌日には
「準備したもので本当に良かったのか?」
とあとからどんどん気になる種が
増えていったのでした。
結局、講座の内容と資料を
完全に作り上げたのは前日でした。
その時すごく自分にガッカリしまして。
「なんだ、一日の研修なのに、そのために60日も心を使っていたなんて、なんだか非効率だな」
と。
いただいた研修費を60日で割ってみたら、
日当があまりにも低かったので
短い時間で終わらせられれば
もっとコストパフィーマンスも
よかったのにとガッカリしました。
先に終わらせれば楽になれると思ったのに、
結局、気にしていたら先にやっても、
直前にやっても結局、同じだなと。
その時はわからなかったのですが、
似たような経験を繰り返しているうちに気づいたのは、
大事なのは終わらせるのが早いか遅いかではなく、
そことことを「気にしているかどうか」なのだと。
・・・
確かに何事も早く終わらせることで、
気にせずに済むことも多いでしょう。
夏休みの宿題なんて終わらせてしまえば
あっという間に記憶のかなたに追いやることができます。
ですから、
早く終わらせることは素晴らしいです。
でも、もう一つ言えるのは、
たとえ早く終わらせていなくても、
それが気にならないのであれば、
それもまたヨシなのです。
思考の軸を「早いか遅いか」ではなく、
「気にしているかいないか」においてみると、
同じ物事に対する見え方が変わり、
心持が変わってきます。
ではどうしたら、
そんな風に思考の軸を変えられるのかというと、
いろいろな方法があるのでしょうが、
私が良くやるのは、
「終わらせる日時を確定させる」
という方法です。
たとえば、
私はむかしから毎月書かせて
いただいている原稿があります。
その原稿の締め切りが近づくと正直
「ああ、やらなくちゃ」と
ちょっとつらい気持ちになっていたのです。
以前はどちらかというと
書く日にちは具体的には決めず、
「月初めになった、その週の時間が時にでも書こう」
とゆるく漠然と考えていました。
でもそれだと実際そのころには
ほかにやりたいことがたくさん出てきていることが多々あり、
結局、先延ばしして、嫌な気分になっていたんですね。
なので今は締め切りのだいたい2、3日前の
「この日のこの時間」
とあらかじめ一年分の予定を先に決めてあります。
日時さえ確定してあるなら2,3日前でなくても、
一週間前でも10日前でも構いません。
でもできれば直前のほうがいいと思います。
なぜか?
あまりにも前すぎると脳が
「本当はまだ時間に余裕があるから」
と甘え始めて、集中しきらないことが多いからです。
直前なら、そういうことは起こりにくくなります。
もし自分は意志が弱いと思うなら
「意志を強くしよう」
「頑張ろう」
と、心がけで解決しようとせず
(意志が弱いのですから)、
脳が動きやすい・・・言い方を変えれば追い込みやすい
ような仕組みに沿ってそれをする日時を
確定してしまうのがいいでしょう。
そうすれば、嫌でも脳は動き始めます。
ポイントは、
①「ギリギリにやってもちゃんとできた」という体験をし。
②それを「ギリギリにやる自分ではだめだ。本当はもっと早くらさないと」などと責めず。
③ギリギリでも、ちゃんとできる自分の能力を認める。
これをちゃんとすることで、
次にまた似た場面が来た時も、
やり切れる自信と安心につながるでしょう。
早く終わらせらないという事実そのものではなく、
早終わらせていないことを
「気にしていること」。
そして、その自分を責めることであります。
あえてギリギリに終わらせる
クセをつけておくことで、
不意に多少の窮地に追い込まれることがあっても、
乗り越えられる自信にもなります。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「積極的に、先延ばししよう!」
<お知らせ>
「ギリギリでも終わらせられるから大丈夫」
という自信をさらに深めれには
たくさんの(あるいは複雑な)やらねばならぬことを、
短時間で正確にこなせたという
成功体験を持っているとさらに支えになるでしょう。
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