脳を使う聴き方

「きょうは、たくさん脳を使いました」。

傾聴講座の感想文にこのような感想が多いです。

「耳を使いました」

にはなりません。

理由の一つは午前中に

傾聴に最低限必要な知識を伝えるときに、

短時間で脳に入るように伝えていることです。

知識は、いったん覚えてしまえば

一生の財産ですが、よくある

「だいたい理解できました」

「なんとなくわかります」

などというレベルでは使い物になりません。

そんな入れ方をしていると、

いざ口に出して説明しようとしたときに、

「頭ではわかっているのですが、いえません。」

となってしまいます。

じつはそれは、頭でわかっていて出てこないのではなく

はじめから、ちゃんと頭に入っていないだけのことです。

ですから知識は

「はっきりわかります」

といえる状態に近づけるよう

脳を使ってもらいながら覚えてもらいます。

だから脳がつかれるというのはわかります。

もう一つの理由は、

傾聴は相手の気持ち(感情)を聴くことです。

そして感情をつかさどる部位は

当然人間の脳の中にあります。

ですから、

感情を理解しようとすると、

自然と脳を使うことになります。

相手の言葉の「くり返し」や「伝え返し(要約)」

をするときに、

必死に相手が言った言葉を

頭で丸暗記しようとする人がいます。

これでは同じように頭は疲れても、

相手の感情を聴きとることはできません。

・頭で覚える→理屈の世界
・自分が感じて理解する→傾聴

相手の感情を理解するには、

自分の感情の動きで理解することが必要。

でも、

自分の感情がすぐに動いてくれればまだ楽ですが、

「自分の感情が動くか?」

「どう動いているか?」

を、しっかり理解するのは普段しないので

なかなかやりごたえがある作業です。

その自分の内面に意識を向けられている状態を

ロジャーズは一致と呼び、

それが傾聴するうえで最も大切だいったそうです。

私も大賛成で、

「一致がなければ、傾聴はない」

と思っている一人であります。

それはともかく、

傾聴で必要なのは記憶しようとする脳ではなく、

感情を動かし、自分の感じているものを

理解する脳なのです。

そして感情にも理屈にも共通して言えることは、

しっかり言葉にして表現できること(言語化)は

「理解できていること」で、

わかったようなつもりでいても、

口に出そうとすると言葉が出てこなければ、

それは

「あいまいな理解」

もしくは、

「わかったつもり」

であると思えば間違いありません。

ですから、話し手には感情の言語化を支援しますし、

聴き手は、ただうなずきあいづちで

聴いている姿勢を見せればいいというものではなくて、

ちゃんとこちらが感じたことを

相手を支える形に整えて、

こちらも言語化していくことが必要なのです。

「やりとり」できて

はじめて傾聴しているといえます。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「わかったつもりになっていないか?」

わかっていない自分を認めるところから、

相手への理解はさらに深まります。

脳は心、心は脳。

同じものであります。

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