以前、最近20年間傾聴をお伝えしているというベテランの支援者の方が傾聴講座に参加してくれました。
そしていまの「聴きたくないときは聴かない」という話をしたわけです。
そうしたら急に顔色が変わって「困っている人がいたら、聴いて差し上げるべきです」とえらく怒られました。
我慢して身を粉にしてでも聴きたい方はそうられたらいいのだと思います。
私もそうしたいときはそうします。
その人が大事にしているものを否定するつもりは毛頭ありません。
でも私自身我慢して聴くことができないので怒られても困るのです。
そんなことを思いつつも気が小さいので、その後いままで8年間私がお伝えしてきた傾聴は何かまずかったのかなとちょっと気しながら過ごしてたのですが、ある時であった本に救われました。
それはC.ロジャーズ撰集という本です。
そこに書かれていた一文がいまも私を支えになってくれています。
「セラピストは『私はいま自分の問題に集中しているので、あなたの話に耳を傾けることはできない』というような模範的ではない部分も含めて常に自己自身であればそれで十分なのである。大事なことは、自分自身に関してクライエント欺いてはならないことだ。」
自分の受け入れにくい部分もそのまま受け入れらえるようになると、会話の中から見えてくる相手の受け入れにくい部分もフィルターが柔らかくなり聴きやすくなります。
自分に何かを禁止する人は他人にも禁止することを求めます。
人間関係の基本はすべて自分と自分との関係によって成り立っているのです。
※原文からの抜粋なので、書籍とは内容が異なります。
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