心のままに動く

通勤のため電車に乗ったときのこと。

その日は席が空いていませんでした。

帰宅の電車は座れたらいいなと思いますけれども、

行きは特に座りたい方でもないので、

そのまま立っておりました。

乗客もすべて乗り終わり扉が閉まって、

電車が発車しそうになった瞬間、

左斜め前に座っていた

50代(に見える)の女性が急に

席から立ちあがりました。

扉もすでにしまっていますし、

「どうしたのかな?」

と思って一瞬目をやったら、

その女性は、右斜め前(私の左後ろ)

2メートルくらい先にいた80代くらいの

年配の男性のところまで歩み寄っていき

席を譲ろうとすすめていました。

「あんな離れてたところにわざわざ行って、席を譲ろうだなんて親切な人もいるもんだ」

と感心したのです。

でも・・・そのあとちょっと

微妙なことになってしまいまして。

・・・

席をすすめられた年配の男性は、

どうも立っていたかったらしくて、

女性が何度すすめても、

「いい、いい」

と言って座らなかったのです。

さらに・・・といいますか、

これも仕方がないことだと思うのですが、

女性が座っていた席の前には、

若い男性がスマホをいじりながら

つり革につかまって立っていたのですが、

女性が立ち上がった瞬間、

若い男性は、席を譲ろうとしている

事情などわからないので、

目の前に席が空いたのを見て、

すぐその席に座ってしまったのでありました。

ですから、

女性が老人に声を変えた時にはすでに、

席はなくなっていたのでした(残念)。

年配の男性に声をかけた女性としては、

面目丸つぶれになった上に、

自分が座っていた席まで

失ってしまったのです。

電車に限らず、見知らぬ人に

声をかけるというのは、

勇気が必要なことだと思うので、

なんだかその女性が少し気の毒に思えました。

・・・

勇気を出して行動をしても

その勇気がいつも相手に伝わるとは限りませんね。

せめてその女性は席を立つ時に

持っていた荷物を椅子の上に

置いて席を立っていたら、

断られても座る席まで

失わずに済んだはずでした。

少し詰めが甘かったとも言えますが、

まあ、何とも残念な一幕でした。

席を譲ることに限らずなんでも

思い立って即行動すると、

何かしらミスもしてしまうこともあります。

でもその思い立った瞬間にやらなければ、

素晴らしい成果も手に入れらない

こともあるわけです。

心が何か必要を感じたのに

それを無視してしまうのは

自分に対して不誠実で残念なことです。

ですからその女性の選択は

やっぱり正しかったと思います。

今回はうまくいかなかったですが、

もし喜んで受けとってくれる相手だったら

お互いが幸せになれたでしょうし。

今回は残念な結果になりましたけれども

ぜひその女性には懲りずに

(せめて席は確保したままた)

またチャレンジして欲しいものです。

そんなことを思いながら、

ちょっとバツが悪そうに私の横に

立つことになった女性に向かって

心の中で「ドンマイ!」と

軽くエールを送ったのでありました。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「感じたら動いてみる。それが失敗しても自分を責めない。」

失敗を恐れたら、成功はないですものね。

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