傾聴によるカウンセリングを提唱した
アメリカの心理学者カール・ロジャーズの
ロチェスター児童虐待防止協会での出来事は有名です。
問題行動のある子供について相談に来た
母親を担当することになったロジャーズでしたが、
ずっと母親は子供への対し方に関する
ロジャーズの提案を拒み続けました。
そして、12回の面談をしたのちに、
ロジャーズはついに断念し、
子どもについてのカウンセリングの
中断を申し出ました。
了解した母親は、席を立ち帰ろうとした瞬間、
ロジャーズの方を振り返ってこう言いました。
「ここは大人のカウンセリングもしていますか?」
これを機にロジャーズは、
面接の進む方向を(無意識にでも)
一番よく理解しているのは、
カウンセラーではなくて、
クライエント自身であると確信をし、
その後の、クライエント中心の
療法に発展していったのです。
・・・
私は講座を開催するとき極力、
「質疑応答を受けてから、終了」
ではなくて、
「終了してから、質疑応答」
を受けるようにしています。
みなさんに共通する質問が出ることもあるので、
終了前に軽く質問の時間もとりますが、
終了後の質問がメインです。
なぜかといいますと、
「本心は最後に出ることが多い」
からです。
カウンセリングもそうですが、
面談時間が終わりに近づいた頃に
一番大切な話が出て来たりします。
講座の場合、他の方のことを気にしたりするので、
最後になって確信・・・というか
その方が、来場した本当の理由に近い
質問をいただくことがよくあります。
カウンセラーの方であれば
似たような経験をされた方も
多いかもしれませんね。
良くも悪くも、お互いの関係性が出来上がった
最後というのは、本音が出やすいです。
でも、残念なことに理屈をつかさどる
人間の左脳はおそらく、
「最初に相談された話が解決したらそれで終わり」
と感じやすいようです。
実施は、最初に出てくる話というのは
まだまだ表面的な差しさわりない程度の話だったり、
本当の動機ではないプロローグの
ほんの一部分だったり・・・。
なので、最後の時間をゆっくりとることで、
より深い関係を築くことができるのではないか
と思い、質問の時間は
「終わったら自由に」
ということにしています。
もちろん、複数人数最後に残っていると
順番待ちになったり、
結局、他の人の目が気になってしまう
こともありますが、
それでも、
講座内では決して出てこないような話が
講座後だとよく出てくるのは確かです。
ポイントは、
「終了後に話せる時間をとること」
あるいは、立ち話であっても、
会話が終わる直前にすると、
本音を聞き逃さないための
いい魔法の質問があります。
その魔法の質問とは
・
・
・
「他に何かありますか?」
です。
この質問は多くの場合、相手の方が
心の整理ついていない状態でされるので、
一瞬、言葉に詰まることも多いです。
でも、質問されたことで、
自分の中を探し始めて、
本当に言い(訊き)たかった
ことを思い出したりします。
また、とっさに言葉は出てこなくても、
表情や態度から、
「何かある」
様子を感じ取れたりします。
そうしたら、もう少し
待ってあげてもいいわけです。
いかがでしょうか?
最初の話の結論が出た時点で、
話の終わったと安心して
気を抜いてしまっていませんか???
最後が大事です。
本音を聴きたいという方は、
ぜひ終わりの時間を大切にしてみてください。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「『まだ言いたいことはあるはず』という視点を持とう!」
<お知らせ>
聴くということは結局、人間観察、
人に対する興味です。
そもそも相手に興味がない。
あるいは、
微細な変化を感じとる感性がなければ、
傾聴のスキルは役に立ちません。
自分を整えることと、スキルの両方を
整えて初めて聴けるようになります。
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