駅ビルのレストランで食事をしていた。
料理は美味しくて、
2人いるフロアの店員さんは落ちついた雰囲気で丁寧。
いいお店だと思うのに、地方の都市だからか、
平日の13時近くなのに店内はすいていた。
でも、その後見ていてその理由が少しわかった気がした。
コップの水がなくなったので、
欲しくて店員さんを呼んぼうと思った。
でも、たまたま、目の前に従業員用の
水さし置場が目に入ってきた。
そこに満タンの水差しが置いてあった。
「呼ぶより、自分で行ったほうが早い」
と思い、席を立って自分で水を入れ席に戻った。
すると、着席するかしないかのタイミングで、
「すみません!」
と、店員を呼ぶ男性の声が聞こえた。
呼ばれたとき2人の店員は、それぞれレジ近くと、
厨房の近くで静かに「何か」をしていた。
店員はハイと返事をして、素早く
男性客のテーブルに向かった。
「水、もらえますか?」
男性客が言うと、店員は先ほど
わたしが使った水差しを持って水を足しに戻った。
男性の水を足し終えて、戻ろうとしたとき、
こんどは近くにいた年配の女性が「私も」と声をかけた。
店員はその女性のコップにも
水を注いで、帰ろうとした。
すると、
別の席にいたビジネンマンの3人組のうちの一人が
「うちも注いでくれる?」
と声をかけた。
見回すと店内には8組しかいない。
私を入れた4組が水を欲していたのだった。
恐らく最初に声をかけた男性も
ずっと水が欲しかったのだろう。
でも私が自分で注ぎにいった姿を見て、
「店員は自主的には水を注ぎに来ない」
と、腹をくくって声を出したに違いない。
(男性は水差しから離れた場所にいた)。
・・・
店の料理は美味しい。
テーブルまでくれば店員の接客は丁寧。
でも、自分の用があるときしか
テーブルを見に来ない。
店員の役割の中には、
テーブルまで案内し、
テーブルまで料理を運ぶことはあっても、
「もてなす」という役割を持っていなかったようだ。
それが、店がすいている一つの理由かなと思った。
個々の能力アップなどしなくても、
役割が変われば、提供できる価値が変わる。
必要な役割さえ認識できれば、
人は気になることが変わり、行動が変わる。
テーブルまでくれば親切なのだから、
もてなすという役割さえ自分に与えられれば
きっとそのようにふるまえるのにと思うと、
余計にもったいない気がした。
・・・
役割を何にするか?
その大切さは仕事にも、人の話を聴くことにも通じる。
聴こうとするときに、どういう役割を持っているか?
・「反論しようとする役割」
・「アドバイスしようという役割」
・「そのままを受け止めて支える役割」
役割というのは、誰かから
与えられるような印象があるが
そうとも限らない。
役割は自分で解釈し、自分で決めることができる。
役割を決めないまま聞いている人がいたとしたら、
それはまるで、配役が決まらないまま
ドラマの撮影に望む俳優と同じ。
うまくできたか?できなかったか?
評価すらできない。
役割は自分の中で決心するもの。
自分で自分に与えるもの。
さて、
あなたは今日一日の中で、
いつ、どんな役割で過ごしたいと
自分に期待していますか?
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「与えられたと思えば『やらなきゃ』。自分で決めたなら『やろう』」
どうせやらないといけないことならば、
与えられた役割で動くよりも、
自分で与えて動いたほうが、
魂がこもりますね。
それは、自分を自分で生かす
ということであります。
<お知らせ>
支える、寄り添う、そのままを理解するという
役割をもって聴きたい時には、
傾聴をしてみてはいかがでしょうか。
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