見えたものが答え

某企業さんに、後日開催予定の

社員向けの傾聴の講演会の打ち合わせに

行ったときのこと。

講演会の打ち合わせですから、

どんな趣旨の講演を希望されるか確認をする程度の、

1時間くらいの短い打ち合わせです。

でも、社員向けに傾聴の講演会をしようと思うには、

それなりのワケがあるはずなので

「講演会をやろうと思った経緯」

「なぜ傾聴なのか?」

そして、抱えている問題があるはずなので、

「どんな問題の解決や改善につなげたいのか?」

自然に会話しながらヒアリングさせていただきました。

すると、

聴く大切さや聴き方のポイントを社員に告知するために

講演会は必要だと思っていると同時に

講演会をやったあと、どうやったら、

聴く事への取り組みが定着し維持できるのか?

そのよいアイディアはまだなくて、

今後の展開にまだ暗中模索、

少し困っていることがわかりました。

そこで、ひとこと、

「経験上、講演や研修を単発でやっただけで、聴き上手を育てられているケースはほぼありません。聴き上手を育てるには、御社内に社員同士が、聴きあえる場を作るのが一番的確で早い方法です」

と、お伝えし、

一般的な組織内でも聴き手育成の

枠組みの作り方をお伝えしました。

その時、面白かったことがあります。

私は企業内の細かい事情は一切わからないわけです。

なので、

「講演後に、興味を持った人たちを募って、学ぶ母集団を作り、そしてそのあとに・・・」

という感じで、一般論としてしか

お話しすることはできません。

ところが、

こちらは一般論で話しているだけなのに、

私の話を聴きながら、担当者の方は途中から

目を上に向けたり、下に向けながら

自分の中で何かを探り始めたのです。

たぶん、自社の状況に当てはめて、

それが可能かどうかイメージをしていたのでしょう。

そして、とめどなく、

「あれはできるかな?」「これならできるかも」

と語り始め、

その場にいたもう一人の社員と、

「今、話していて思ったんですけれど」

講演会とは直接関係ない、

仕事の進め方の相談を私の目の前で始めたのでした。

その様子を見て、実に面白い!と思ったのでした。

・・・

昔はよく、

「ビジネスで傾聴なんて使えない」

といわれ、反論できる実力もなく悔しい思いをしたものです。

でも、いまは胸を張って言えます。

「ビジネスで傾聴は使える!」。

いや、

「ビジネスマンが傾聴できないでどうする!」

と。

私は、そのとき「自分の経験を伝える」こともしたので、

それは傾聴ではないのでは?

と、思われるかもしれません。

でも、違います。

なぜ、その提案ができたのかと言えば、

相手の話を聴きながら、

「講演を企画したくなった趣旨を理解し」

「抱えている問題が何かを知り」

「今後の見通しが立っていない、モヤモヤした感じを抱えていることが分かった」

から、何を伝えたら、役に立ちそうか

ポイントでわかったのでした。

状況の事実を理解するだけでなく、

期待感や不安という感情まで聴けたから

ちゃんと伝えられたのです。

まさに傾聴のたまものです。

その人にあったピンポイントのアプローチができれば

人は自分が持っているリソースの中から、

必要な情報を拾い出し、思考し、

それをしたらどうなりそうか、

勝手にイメージを膨らませていきます。

(たぶん、こちらが止めても脳は勝手に動きます)

「答えは自分の中にある」

というのは、

ほわほわした自己啓発の用語ではなくて、

具体的なイメージが膨らむことで、

「感情的に」

うまくいきそうな方向に、

人は物事を選択するように、

もとともできているです。

その脳の性質を、

「答えは自分の中にある」

と呼んでいるだけのことです。

また、アドバイスは、

相手が「イメージしやすいように」するのですが、

実は、ただイメージができるだけではだめです。

「感情をともなったイメージ」

でなければ。

感情を伴ったイメージができると、

人は意味ある思考を開始します。

この時の感情とは、

「うまくいった」という感情だけでなく

「うまくいかないぞ」というマイナスの感情や

「どこかひっかかる」という

モヤモヤした感情でもいいのです。

とにかく、しっかり感じことさえできれば

「この方法はアリだ」。

「この方法はナシだ」。

「ここマもっとクリアにさせないといけない」

と、プラスでもマイナスでも、モヤモヤでも、

感情が動いた分だけ

思考が積極的に行われるようになります。

・・・

いかがでしょうか?

これをお読みいただいている方には、

誰かを指導する立場の方もいると思います。

その時のあなたの伝え方は、

相手の「感情が動くイメージ」がみえるような

アドバイスになっているでしょうか?

ただしいやり方だけ伝えても人は動きません。

感情が動くから、脳も体も動くのです。

人に何かを伝えるときは、

イメージして見えるように伝える。

あるいは、

イメージしたくなるように、

その人がいま感じている感情にまつわるように

語りかけてみましょう。

そうすれば、あとはその人が勝手に、

自分が納得する、その時の結論を出してくれます。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「感情が動くイメージが、人を動かす」

私はあとはただ、

二人のクライエントの間で展開される

内輪の業務事情のやりとりを、

実に面白いと思いながら眺めていたのでした。

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