駅の乗り換えに使う 長い地下道を
いつものように早足で歩いていたら
ほぼ同年代かちょっと若いと思われる男性がいた。
杖をつきながら、難儀そうに
私の前方を、同じ方向に歩いていた。
見た感じ、臨時で使っている杖ではなさそうだ。
杖を使わざるを得なくなった出来事が
過去に何かあったのだろう。
いつの間にか、自然とわが身に置きかえていた。
「家族もいて、この歳で杖生活なら大変そうだ…」。
次に、こんな思考が頭をよぎった。
「もしかして、必要以上に急ぎ過ぎているのかも…」。
もしかしたら、
早歩き出来るのは、とてもぜいたくなことなのかも。
こんなに早く歩かなくても、もっとゆっくりでも
人生はちゃんと歩めるのかもと思えた。
いくら未来が不安でも、早歩きしても
早く安心できる未来に、たどり着けるわけでもない。
「無駄な動きが多いのかな…」
と、反省しかけた。
そう思った瞬間、私の中の別のところから
その考えを打ち消す声が聞こえてきた。
「早く歩けるうちに、歩いとけ!!!」
声は言った。
「今を抑えても、未来が必ず良くなるわけではない。」
「よくなるときはなるし、ならないときはならない。そんなもんだぞ・・・」
と。
その意見にも納得した。
・・・
最近、20代の若者が蓄財に
勤しんでいると、どこかで見た。
私はお金を貯められないほうなので、
堅実で素晴らしいと思うと同時に、
何かもったいないような気もした。
蓄財しながらでも、今が幸せならそれでいいと思う。
でも、未来への不安に押しつぶされて、
蓄財しているなら、その人は一体
いつ幸せを感じればよいのだろうか?
いま喜び幸せを感じられない思考の人はきっと、
未来になっても幸せを関ることはできない。
未来には未来の不安がまたあって、
きっと、それにまた飲み込まれる。
一生、未来への準備だけで、
人生が終わってしまわないだろうか?
いまあるお金の節約は、ほどほどできても、
いまここにあるはずの幸せを蓄えて
未来に持っていくことはできない。
いましかできないことがある。
杖をつく人生が悪い人生とは思わない。
でも、願わくば自分は使わずに暮らしたい気持ちがある。
・・・
いろいろ思考した割には、
まだ杖の男性の背中が見えていた。
その背中に一回視線を向けてから、
「よし」と決めて、
いつもよりさらに少しだけ速度をあげた。
そして、いつも以上の早足で、
男性を追い越していった。
いまできることを、精一杯しよう。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「今日中に、したいことはしておこう」
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