「正しいことよりも、伝わることのが大切」
夜7時過ぎ、外で仕事をしてたら、7歳の息子から
「いつかえてくる」
と、いつもの小さい「っ」抜けのメールが届いた。
それを見てかわいいと思いながら
「まだかえれないよ」
と返信した。
どうやら働く妻の帰宅が少し遅れているらしい。
お腹すかしたのだろうか?
息子からすぐにメールが返ってきた。
「かろりこかろりかたべていい?」
かろりかかろりこ???
45年生きてきた私の辞書に「かろりこかろりか」という文字はない。
想像してみた。
・カロリーメイト? → 家にはない
・キャラメル? → ちょっと飛躍し過ぎ
・テクマクマヤコン → ひみつのアッコちゃんの呪文。食べられない
「かろりこかろりか」は何だろう???
それから数分間、家の冷蔵庫からお菓子置き場の中まで、
頭の中で「ミニ自宅ツアー」をイメージの中で催行し、頭の中で探索してみた。
でも、そんな食べ物は思いつかなかった。
仕方ないので息子にメールした。
私「かろりこかろりか?なにそれ?もういっかいどんなものかおしえて」
息子から返信。
「みかんはいてるやつ」
(みかんを吐いてる???汚いなぁ。・・・ああ「入ってる」か!)
記憶にはないけれど、以前、初めて寄ったスーパーで、たまたま見かけて買った、カロリーオフのみかん入りゼリーがあった気がする。
たぶん、それだろうと思い、「いいよ」と返した。
・・・
帰宅してゴミ箱を見るとそこには、想像通りのゼリーの抜け殻があり、小さく上の方に「カロリコカロリカ」と書かれていた。
息子は正しかった!
・・・正しかったけれど、私には伝わらなかった。
「みかんが入ったゼリー」と私にとって平易な言葉で、伝えてくれたらもっと早く伝わっただろう。
・・・
正しいことを言えば、伝わるというものではない。
相手がわかる世界の中で伝えないと伝わらない。
・伝えるのが目的か?
・伝わるのが目的か?
「伝わる」が目的なら、正しさより、わかりやすさのほうが大事。
仮に、相手が使ったのとは違う言葉に、言い換えるにしても、「(自分には見えにくくても)相手に見えやすい言葉に変えてみる」なら意味がある。
でも多くの場合、言葉を言い換えたがる人は、「自分が見えてる世界」の言葉に置き換えることに酔いしれる。
自分にとって、わかりやすいかは問題じゃない。
同じ言い換えるにしても、「誰にとってわかりやすいのか?」、そこにちゃんと線を引ければ、相手の気持ちが聞き取りやすくなる。
ただ、人は学習をする。
私にはもう、カロリコカロリカは既知の事実になった。
次、同じことを言われても何の問題もない。
でもそれは、伝え~がうまいからではなくて、学習をした聴き手の手柄でしかない。
伝えるときほど、自分の使う言葉は相手には見えないのではないか?慎重に伝えよう。
正しい言葉よりも、伝わることのほうが大切なのだから。
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