「人は、無意識に自分の能力にフタをしているのかもしれない」

子どもとのたわいもない遊びから、そんなことを学んだ。

ゴールデンウィーク、5歳の息子は

することがない時間の多くを

Amazonプライム（ネットテレビ）で

ウルトラマンを見ていた。

去年まで、仮面ライダーしかなかったのが、

今年になり、息子が大好きな

ウルトラマンが大量に追加され、大喜び。

テレビをたくさん見させるのがいいか

悪いかという議論とは別に、

共働きであまり、かまってあげられないことが多い

わが家にとっては、心強い味方になっている。

ウルトラマンをテレビで見れば見るほど、

そのあと息子は、きまって人形を使った

「ウルトラマンごっこ」

をやりたがる。

いつの間にか、30体近くなった、

おもちゃ箱に満載のウルトラマンと

怪獣の人形を和室に持ち込んでは

遊び相手の「お誘い」がかかる。

そのとき、ズルイと思うのは、

人を誘ったくせに息子は、自分だけ先に

人気のウルトラマンの人形を

ひとり占めしてしまう。

ズルイ。

「こんな気の利かない子供の、親の顔が見てみたい」

と思い、ふと和室の窓ガラスを見ると

そこには、私の顔がしっかりと映ってしまう。

・・・それはともかく、

ウルトラマンで人形遊びをしていて、

ふと気づいたことがあった。

息子の「ルール」では、

ウルトラマン（の人形）は

「空を飛ぶことが禁止」。

テレビの中の本当のウルトラマンは

みんな空を飛べるのになぜ？と思ったけれど、

その理由がわかった気がした。

たしかにテレビの中の

ウルトラマンは空を飛べる。

でも、怪獣と戦っている

最中には絶対に飛ばない。

それは特撮ならではの特徴と言うか・・・。

ウルトラマンも怪獣も着ぐるみには

人間が入っているから、

基本的に肉弾戦が多くなる。

映画版などではCGを使って

空を飛ばすこともあるけれど、

ちょっと味気ないというか・・・。

やっぱり、地上で直接対決が面白い。

でも、冷静に考えてみれば

空を飛べない怪獣（結構いる）が

暴れているときは、

ウルトラマンは空を飛んで、

ビームで攻撃したほうが、

圧倒的に安全で、確実に攻撃できるはず。

ウルトラマンが、どのように攻撃したいかは

ウルトラマンの自由なので、構わないけれど、

「空を飛べるのに、飛ばないウルトラマン」

を43年間、何の疑いもなしに

受け入れていた自分自身に驚いた。

そして息子もまた、世代を越えて

「飛ばないウルトラマン」

が標準になっているのが面白かった。

・・・

「能力としては出来るのに、いつの間にか出来ない自分を受け入れてしまう」

もしかしたら、人生も同じかも知れない。

本当は出来る力を持っているのに、

それを使ってこなかったために

それをやろうとも思わない。

「できない」「苦手」とさえ思わず、

無意識の中に眠らせている。

そんな能力はないだろうか？

たとえば、

はじめて歩き始めた赤ん坊のときは誰もが

転んでは立ち上がり、転んでは

また立ち上がり、前に進もうとしていたはず。

それがその後、長い時間をかけて、

転ばないように、失敗しないように

育ててもらった結果、

「自分は転んだら、起き上がれないのではないか」

と思い込んでしまったのではないか。

転んでも前に進む楽しみを、知っていたはずなのに

大人になったら、自然と転ばないように

生きようとしていたりする。

苦手意識が強いのも厄介だが、

苦手とも思えず無意識に

追いやられてしまっている物の方が

もっと厄介なのかもしれない。

【この言葉を自分に言ってみよう！】

「人間は、思い込みの中で生きている」

人生、新たな能力など身につけなくても

むかし出来ていたことを、

もう一度思いすだけで、

意外と前に進んだりするのかもしれません。

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