あきらめる勇気

子どもの頃、ドミノ倒しや、ジェンガが大嫌いだった。

・・・

29歳ではじめて転職したWebプログラムの仕事は

一年半続けたのち、体調を崩してやめた。

とてもキタナイやめ方だったので、

当時の関係者には、申し訳なかったとも思う。

毎日が苦痛で、イヤなことばかり。

苦い経験だったけれど、その時に身に着けたことで、

いまでも、とても役に立っている能力がある。

それは、

「あきらめて、やりなおす」

能力。

元来、私はせっかちで、

とにかく早く仕事を終わらせたい。

だから

ある程度、仕事を進めたのち少々問題が起きても、

せっかくやり終えた部分は、出来るだけ残して

問題が見えないように対処する。

・・・というか、

できるだけ見えなくする「対処療法」を得意としていた。

「とりあえず」でも終わらせる必要があることは、

対処療法がかなり役立った。

ところが、

Webプログラムのような、一度作ったらそれなりに

長く使うようなものを作るには、

「とりあえず」

ではダメなことが多かった。

あるときは、もうあと一歩

95%完成したと思っていたものが、

ぜんぶオシャカになり、お蔵入りとなり絶望した。

それでも一瞬、

思考の中では「対処療法で済ませられないか?」

何度も考えてみた。

でもやはり、

0からやりなおさなければいけない。

そんなことが、頻繁に起きた。

いつでも早く仕事を終わらせたい私には、

「積み上げたものが崩れる」

ということが、ものすごく苦痛だった。

当時は苦痛でしかなかったが、いつのまにか

やりなおしに堪える感覚が、前よりだいぶ身についた。

・・・

世の中には、

「積み上げたものが崩れる」

のを楽しむゲームがいくつかある。

たとえば、ドミノとか、ジェンガ。

私は、あの手のゲームが、

子供の時からキライだった。

なぜ、あんなにも嫌いだったのか?

思い返してみた。

もし、小学生から大人に成長していく過程で、

自分の中に確実に積み上げていると

思えるものを持っていたら、

ドミノもジェンガも嫌いにならなかったように思う。

自分の中に積み上げているものが

「ない」自覚があるからこそ、

「これ以上、崩れてたまるか」という、

崩れることへの恐怖があった。

ところが、最近は、

本を書くにも、企画を練るにも

行き詰ったら、一回全部ご破算。

ゼロからやり直すほうがむしろ

楽だと感じることが増えてきた。

これは、まがりなりにも11年間、

傾聴、カウンセリング、講師というものを

なんだかんだ苦しいこともありながらも、

続けてきた、積み重ねからくる自信なのだと思う。

仕事も人間関係も、ダメだと思ったときは、

いったん自分がこだわっているものを

全部手放しあきらめる勇気を持とう。

こだわりが問題を長引かせてしまうことは多い。

一からやりなおした方が、

微修正を繰り返すよりも、

楽に進むことはよくある。

でも、あきらめる勇気をもつためには

「自分はゼロからでも復活できる」

という自信がないとできない。

何かを積み上げてきた自負がないと、

復活する自信は出てこない。

あなたには、なにかを積みあげてきた

自負はあるだろうか?

もしあるならば、何ごともよりあきらめやすくするために、

自分の過去の軌跡をもう一度よく自分で認めてあげるといい。

もし積み上げてきたものがないのであれば、

あきらめる勇気をもつ前に、

いまからでも何か積み上げていくことを

はじめるのがいい。

いまからでは間に合わない?

もう年だし、時間がかかるからイヤダ?

そういう自分から逃げる思考のクセの結果が、

いまの何も積みあがっていない現実を作ったのだから

いまからでも始めるしかない。

大きなことでなくていいから、

最低3年、出来れば10年。

何かを続けてみるときめて、

今日からさっそくはじめてみるしかない。

いま始めなければ、

1年後も、10年後も、いまのままの

自信がない自分と付きあうことになるだろう。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「失敗する恐怖より、積み上げられなくなる危機感をもとう」

「あきらめる」という言葉は、

「あきらかにする」というのが本来の意味で、

道理、真理を意味する。

(大谷学園 生活の中の仏教用語 – [180])。

つまり「受け入れる」ということです。

失敗する自分を受け入れられると、

なにごともつづきやすくなります。

続けているものがあるから、あきらめやすくなる。

あきらめられるから、続けやすくなる。

どちらも真理です。

<お知らせ>

自分の失敗を責める人は、

他人が失敗するのを目の当たりにすると、

厳しく指摘するか、直そうとしてしまいがちです。

それでは、寄り添って話を聴くことはできません。

自分に寄りそえる分だけ、他人に寄りそうことができる。

自分を受け入れた分だけ、他人を受け入れることができる。

この原理を使って、

聴こうとする人が楽になった分だけ、

他の人の楽に役立つ聴き方ができる方法があります。

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