苦労できる能力

最近、たてつづけに2人、

キャリコンとキャリア技能検定の

面接試験を受ける方から相談を受けた。

普段はお受けしていないけれど、

縁がある方だったので、

15分間のロールプレイをやり、

フィードバックをした。

一生懸命、本気で臨んでくれたのだけれど、

正直、これで合格は厳しいだろうと

思わざるを得ない感じだった。

一人は、いわゆるマニュアル通りの

うなずき、あいづち、くり返しが精いっぱいだった。

もう一人は、ロールプレイ中に

いろいろ質問をしてくるのですが

「何のために」その筆問をしているのか

意図が見えてこなかった。

終了後、フィードバックで質問の意図を尋ねると、

「コーチングのスキルを混ぜてみました」と(汗)。

2人に共通している課題は、

「全体の流れ」をどのように進めていくのか、

自分の中で全体像が見えていないこと。

ただただ、目の前の言葉に反応するのが

精いっぱいという感じだった。

・・・

面接対策の指導をしてから、つくづく感じることがある。

「私は、随分と過去の経験に助けられている。」

と。

さきほどの2人のうち1人は、

支援業務やカウンセリングを

実際にやった経験がない人だった。

もう一人は、現在進行形で

支援業務をしている人だった。

でも、面談の練習をする場は、

仲間内の勉強会だけで、スーパーバイザーから

指導を受ける場はなかった。

ならば、両者ともうまくできないのは無理ないと思う。

・・・

かく言う私自身、自分がちゃんと

カウンセリングが出来ている自信があるか

と問われると大いに疑問に思うことがある。

12年前に傾聴の先生についてから4年間、

毎年250時間ほど傾聴の指導を受けていた。

その後、

時間は半分以下に減らして6年ほど指導を受けていた。

合計10年間、指導を受け続けてきたけれど、、

2年前、仕事が増えてきたうえに、

新しく法人を作ることになったので、

そのタイミングで定期的な練習は受けなくなった。

練習を受けなくなると決めた時、

カウンセリングを上手にできる自信が

十分あったかと言えば、なかった。

心ぼそかったというのが正直なところ。

まだスーパーバイジングを受けているころに、

就労支援施設で1年間みっちり

面接の業務ができた経験も大きかった。

でももし、スーパーバイザーがいない状態で、

ただ面接業務をこなしているだけだったなら、

得るものは、もっと少なかったと思う。

人と一緒に仕事するのが嫌いだった私が

仕方なく就労支援の仕事を引き受けたのだったけれど、

いま思えば、組織の中で面談業務ができたのは

貴重な体験で、ありがたいと心から思える。

そしてなにより、

当時は自分は、安心感まではつながらなかったものの、

10年練習し続けていたおかげで、

いまになっていつのまにか、

自分の中で基本的な面談な流れが定まり、

さほど困ることなく、人と向き合うことが

できるようになっていた。

手ごたえがないながらも、10年続けてきたものは、

それから数年して、

自分への安心感という形でいつのまにか開花している。

そんな自分がいまいると感じてみると、

その瞬間、自分で成長したと

思える程度の成長は、実はニセモノで、

ふと過去の自分を振り返ったら、

気がついたら成長していた(過去形)と

思えるような成長方が、実は本物なのかもしれない。

・・・

そしてもう一つ。

いま、過去の自分をほめてあげられる

ことが一つあるとしたら、

傾聴の練習は毎回かなりしんどく、

ろくに成長も感じられなかったにもかかわらず、

練習をやめようと思わなかった自分をほめてあげたい。

そこには確実に、

「苦しくてもやろう」という明確な意思があった。

よく、やりたいことを仕事にしようとか、

ありのままの自分で生きよう、という。

そういう言葉にはなにかキラキラした

華やかで明るいイメージがある。

でも、ありのままに生きるとは、

そんなきれいごとだけでは、ないのではないだろうか。

しんどすぎるけれど、やめたくなかった

自分の心の声にを聴き、その声に正直に生きることも、

十分ありのままの自分で生きていることだと思う。

ありのままの自分で生きるとは、

楽に、楽しく過ごそうということではなく、

「なにで苦労して生きたいのか?」

能動的に苦労を買いに行く自分。

自分の命の活かし方についての、

決意のようなものも含まれる。

そう確信する。

・・・

足りない自分を感じながらも、

めげずに面接試験に臨もうとしている人の姿に接し、

もう何もしてあげられることはないのだけれど、

あえて苦労を買いに行く決意をしているその決断に

心の中でエールを送りたい。

あなたはしんどくても、やめたくなくて

続けていることは、何かありますか?

もしあるなら、それは自分を

生かしてあげているあかしです。

ほめてあげましょう。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「苦労できる自分を認める」

苦労は悪いことではなく、

能動的にしにいけば、それは立派な能力です。

<お知らせ>

無料で面接対策指導が受けられる特典つき。

キャリアコンサルタント筆記試験対策講座
 ↓
http://bit.ly/2nDke2k

 

logo1

自分の心の声を聴き、人の心を聴く
・ 傾聴1日講座(基礎) /毎月開催中

脳と心を鍛える無料メール講座
・ 傾聴のつぼ入門編
・ 記憶のつぼ入門編

岩松正史のアクティブ・ブレイン関係のセミナー
・ 初心者のための記憶術
・ アクティブ・ダイエット
・ アウトプット読書法
・ 夢実現講座

著書「聴く力の強化書」 /2刷 自由国民社

メルマガ「毎日2分!傾聴三昧」

PAGE TOP