東海道線が上野東京ラインになり
北に向かう電車とつながり新橋や上野に直通になって
喜んでいる人もいるでしょうが
個人的には東京駅始発電車がなくなってしまい、
いままでのように確実に座ることは出来なくなり
大変不便を感じております。
そんな個人的な不満はともかく・・・。
きのうの仕事帰りは幸運にも、
東京駅から座ることが出来ました。
ウツラウツラしながら電車に揺られて、
あと一駅で自宅の最寄り駅
というところまで来たときに、
事件(?)はおきました。
車両のだいぶ後方で座っていたのですが、
かなり前方よりの方から、
「わあーーー!」
という男性の悲鳴と同時に、
「バタァーーーン!」
という大きな音が聞こえました。
何かと思って音がした方を見ようとしましたが、
離れているのと、人がたくさんいて見えません。
でも
みんながずっとそちらを見つめているので
気になりつつも見えないので、
そのまま座っていました。
まもなくして、
同じ車両にいた誰かが緊急停止ボタンを押したようで、
電車が停まるとともに、
無線で車掌室とやり取する声が聞こえてきて、
ようやく事情がわかりました。
80歳代くらいの男性が倒れたそうです。
息はあるようですし、
次の駅で救護の手配も終わったと耳にして
事情が分かり少し安心したのでした。
電車もゆっくりと動き出しました。
・・・そうなんです。
わたしは現場で何が起きたか知りたかったんです。
そして、
ご老人が倒れたと知り、
その方がどういう状況なのか知りたかったんです。
「自分が安心するために。」
事情を知って安心したんですね。
「私が」。
・・・
人は
「相手のことをわかろう」
としているようでいて
実はそれは、
「自分の欲求を満たすため」
ということが多いのではないでしょうか。
少なくても、私がご老人の状況をを知っても、
「ご老人は安心しません」。
安心するのは私だけ。
私がいくら安心をしても、
「ご老人は一切安心しません」。
でも人はそのことと
「あなたのことがわかりたい」
とあたかも親切心のように表現したりするのです。
「私が知りたいだけ」
なのに・・・。
それを知ることで安心するのは誰か?
自分の安心のためなのか?
相手の安心のためなのか?
混同すると、人間関係にすれ違いが生まれやすくなります。
・・・
私も次の駅で降りたのですが、
そのときはじめて、ご老人の姿が見えました。
倒れたあと、席を譲られて座っていたようで、
駅に着くとそこから立ち上がり
待っていた駅員さん数人と
(たぶん)奥さんに付き添われて
右手で車内のみなさんにむけて
軽く(大丈夫と)手を挙げながら会釈して
自力で電車を降りて行くのが見えました。
その姿を見て、
やっぱり安心したのでした。
「私が」。
・・・
以前、引きこもりの子をもつ
お母さんたちの支援を
7年ほどしてたことがあります。
お母さんたちはよく
「子供の気持ちわかりたいから」。
といいつつ、
子どもに
「なにをしたいのか?」
「将来どうなりたいのか?」
「なぜ引きこもりたくなったのか?」
聞き出そうとしていました。
でもそれはやっぱり、
「子どもをわかってあげたい」
のではなく、
「自分が聞いて安心したい」
のだと思います。
誤解されないように言いますが、
(身に覚えがあると心が痛くなる人もいると思いますが)
「自分が安心するのがいけない」
と言っているのではありません。
相手の安心と、自分の安心を
ごっちゃにすると人間関係が
崩れやすくなってしまうから
「誰の欲求を満たそうとしているのか」
はしっかり分けて理解すると
感情的なすれ違いが起きにくくなるといっているのです。
いつも思いますが、
「人のため」
ということほど危ういものはないですね。
すべては自分のためであります。
私はなにごとも胸を張って
「私のためです!」
で、いいと思うのですがいかがでしょうか?
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「その話を聴いて、満足するのはだれか?」
相手のためと思ってしていることが、
実は自分の欲求を満たすためだった。
ななんてことは頻繁にありますね。
自分の感情と、相手の感情を
しっかり分けて理解すると、
親切の押し売りもしなくてすみますね。
<お知らせ>
欲求も含めてまず自分の感情を知りましょう。
そして、相手の感情を聴き、
自分の感情と「違うこと」を知りましょう。
つまり「相手をわかる」というとは、
相手と「同じ」になることではなくて、
むしろ逆に
自分との「違い」を十分に知り、
お互いに違いを認め合うということです。
自分を知り相手を知る傾聴1日講座は
11年目を迎えて次回が第149回になりました。
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