襟(えり)を正すと襟が正される?

なにごとも集中力を持って取り組めるといいけれど、

なかなかそうはいかないもの。

勉強、仕事、雑務・・・。

今日はしっかりやろうと心に決めたはずなのに

いざ手を付けると、なかなか集中できずはかどらない

そんな経験はないだろうか?

・・・

そんなとき私が一番最初に見直すのは「睡眠時間」。

毎朝、5時前後に起きている。

特に、寝不足を感じることはない。

日々、調子よく過ごしているのだけれど、

たまに「なんか最近調子でないな」と思ったときには、

長めの睡眠や昼寝の時間をとる。

するとものすごくすっきりして

パフォーマンスが戻ってくることがある。

そこで初めて、いつのまにか澱のように

睡眠不足が積もっていた事実を知る。

なので、

調子が出ないときはまず、睡眠不足から疑う。

ところが、

睡眠不足でもないのに、

調子がなかなか出せないときもある。

普通の私であれば、仕事が溜まってきたり、

期日が決まっていることがあると、

自然とスイッチが入るタイプなのに、おかしい。

そんな、体調不良でもないのに、

パフォーマンスが上がらないときに、

今まで試して一番「効果がない」・・・というか

「逆効果」だったのが

「リラックスする努力をする」

ことだった。

調子が出ないとき、私の脳は

「それでもやはり、体や心のどこか不調なのだろう」

と考えたがる。

だから自分をいたわり、

リラックスるさせようとしたがる。

ところが、

それを試みてうまくいったためしがない。

・・・

例えば、今まで試みてことごとく

失敗したことはたくさんある。

・リラックスしながら仕事をしようと、コーヒーやお菓子を要して始めたがまったくパフォーマンスが上がらなかった。

・外で仕事をするのをやめて、安心できる慣れた自室で仕事をしようとするがだらけてしまった。

・気分転換をしてから仕事を始めようと、近所のスーパー銭湯に行ったが、まったくやる気が出かった。

・意識を一回仕事から外してリセットしようと思い、録画してあったテレビを見て気分転換しようとしたが、その後続けて何本もテレビを見続けて一日が終わっただけだった。

似たいような経験がある人はいないでしょうか?

ようするに

「リラックスしたら、集中力が増す」

わけではない。

集中力はリラックスからではなく、

「危機的状況」

からよく生まれる。

・・・

動物学的に見て、人間が一番集中力を求められるのは

「命の危険があるとき」。

なので、人間は危険を感じたときほど

よく集中するようにできている。

危険を感じた時に脳内から分泌される

ノルアドレナリンは、ストレスホルモンと呼ばれる。

ノルアドレナリンはストレスを与え

不安を生み出すと同時に、集中力を増す。

自分が災害や事故に巻き込まれそうになったことを

想像してみると分かりやすい。

「ヤバイ!」と思いるときは、

不安も緊張もあるが、集中もしている。

危険の最中にリラックスしている人などいない。

不安、恐怖、ストレス

そして集中力は、密接に関連している。

ならば集中力を増したいときにすべき行動は

自分をリラックスされることではない。

むしろ逆。

本能が命の危険を感じるような状況に

近づける努力をするのがいい。

では、具体的にどんな方法があるだろうか?

・部屋の温度を寒くする

・狭い空間に入る

このような環境は、集中力を増す要因となる。

そしてもう一つ、

上のように空間の環境を変えられなくてもできることがある。

私がよくやるのは、

「襟(えり)を正す」こと。

具体的には

「あえてスーツや正装を着る」

私は普段スーツはあまり着ない。

自宅仕事ですむときは私服。

私服だと気が緩んでしまう。

だから、普段しないスーツを着ると

脳は「ただ事ではない」と感じ、集中力が増す。

正装を着てトトに出かけられるとなおよいが、

自宅でも私服よりスーツのほうが集中力はまだ増す。

これなら簡単に誰でもできる。

・・・

普段からスーツを着なれてしまっている人の脳は、

スーツでは物足りなく感じるかもしれない。

人によってはスーツでなくてもいい。

要するに、自分の気が引き締まる服装にする。

ポイントは、とにかく、

「襟を正したと自分が感じる服装」。

普段、私服のほうを着なれない人が、

私服を着てもおそらく効果はない。

大事なのは着なれていないだけでなく、

「襟を正さないといけない緊張感」が出るかどうか。

試したことはないが、

もしかしたら和服が集中力を増すという人もいるかもしれない。

とにかく

集中力を増したいなら、

緊張する状況、服装を近づけるのがいい。

集中されるために気分転換したり、

リラックスを試みるのは逆効果。

・・・

こんな風に人は、自分のやる気一つも

どうやって出せばいいかよくわからない。

脳の原理からすれば間違ったまま続けていることも多い。

一生懸命考えれば考えるほど、

本能とは逆行していることは他にもありそうだ。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「外見の襟を正すと、内面の襟も正される」

見かけをゆるくし、リラックスさせれば、

内面もゆるんでしまう。

当たり前のような気がする。

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