いつもありがとうございます。
雪国出身ですが、寒いのが大嫌いです。
でもおとといは、久しぶりに雪かきに燃えました。
キライなことがあっても、懐かしいとつい燃えてしまう、岩松正史です。
「面接の構造」の理解ということで、
以下のような話を第1回でしました。
参考:第1回面接の構造(1)聴く時間の配分
http://bit.ly/2mTCWof
1.関係構築と相手の理解のために聴く(40分)
↓
2.問題の定義をし共有する(5分)
↓
3.今回取り組む具体的な方策を決める(5分)
↓
4.方策が日常生活で実効性がありそうか検証し修正する(5分)
↓
5.最後にもう一度共感的なメッセージを伝えてからクロージング(5分)
この流れそのものは、カウンセラーや
キャリコンの試験にも通じます。
(試験内でどこまで求められるかは、異なると思います)
前回は、関係構築の
「時間」の長さの話だったので、
今回は、関係構築は
「何をするためのものか?」
「どこを目指すか?」
役割についてのお話です。
・・・
「関係構築」とは、ただ単に
話し合える関係を作ったり、
仲良くなるという意味ではありません。
自分自身を深く見つめ
自分の抱えている問題を段々と明確にわかっていく。
そのための支援が出来る
人間関係を通して、
その環境を整えるということです。
カウンセリングと仮定するならば
関係構築は、カウンセリング全体に
影響するのもですが、
プロセスという視点で言うと、
つぎの「問題の定義」と共有につなげることが
目的と言ってもいいでしょう。
・・・
関係構築をうまくやるポイントは、
何と言っても
話し手の世界を
「一緒に漂うように聴く」
ことです。
これは、カウンセラーや
キャリコンの面接試験でも同じです。
「漂う」を別の表現にするならば
「いかに無理そうか肌身に感じる」
ということです。
肌身に感じていないまま、
頭だけで考えていては
よい関係はできません。
それでは指導者のような
立場になってしまいます。
つぎのプロセスである
「問題の定義」については別の機会にやりますが、
話している人の感覚がわからないままだと、
問題を定義することも、
解決することもできません。
もしあなたが、問題解決のための提案が
うまくできないと自分で思っているなら、
それは、提案する前の問題の定義が
うまくできていないのが原因です。
そして、
問題を定義するためには、
相手の精神的な世界を体感しながら
関係構築が出来ていないとできません。
支援につながるよい関係を作るには、
「その事柄について、どう感じているか?」
をわかろうとして聴くことが大切です。
・・・
状況や出来事も聞きながら、
相手の「感じている世界を理解する」ように聴く。
そして、
「感じているものを理解する」とは
言葉を聞いて
「この人は苦しいと言っているから苦しいんだな」
ではなくて、
その苦しさ、行き詰まり感を
話を聴きながら自ら体験しに行こうとすること。
物理的に同じ場所にいることではなく、
心理的に同じ苦しみの中(位置、強さ、質…)で
傍らにいてくれていると無意識に相手が感じたら
関係が自然と「構築されてしまう」のです。
能動的になるのは
「関係を構築しよう」
という部分にではなくて、
「関係が構築された状態に近づくよう」
受容、共感、一致を能動的に行うことです。
すると、
「良い関係が出来てしまった」
状態に近づいているでしょう。
・・・
相手が感じている心理的な
ストレスが何かがわかれば、
つぎの「問題の定義」はしやすくなります。
相手が感じている心理的なストレスを
肌身に感じないまま問題を定義しようとすれば
問題定義の時点から、的から外れています。
するとカウンセリングはもう、
どこに向かって進んでいるのか
わからなくなってしまいます。
「頭でわかる」のではなく
「感じとりにいく」聴き方をしましょう。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「状況についての心情を、120%理解しにいく」
「受け止めた」だけで「関係が出来た」
という体験が聴き手自身にないと
これは信じやりにくいですよね。
さて、
あなたは、聴くだけの力を
どれくらい信じていますか?
関係構築の段階では、まっさきに
そこが問われます。
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