先日、介護の仕事を長年つづけている知人と飲んでいました。
話題は傾聴ボランティアをどう育てるか。
介護の世界に20年携わり最近は現場で使える傾聴ボランティアの育成をはじめている人です。
2人で話していたのは、
傾聴ボランティアの認知度はここ数年すごく上がったものの、ちゃんとしたボランティアむけ教育や支援者の継続支援がないためなかなかきのうしていないということ。
傾聴ボランティアの参加目的が
・時間があるから
・話すのが好きだから
・よく人から相談されるから
といった、日常生活の延長線上で考えていくとけっこう痛い目にあうことがあります。
以前も認知症がある男性から大声で怒鳴られてしまった人がいます。
あまり話が弾まないので苦しくなって、どんどん話しかけていたら怒られてしまったそうです。
募集するほうも結構曖昧だったりするので、どういう傾聴ボランティアかにもよりますが、
相手の方に認知の症状がある場合など、「普通」の会話をすることで、相手を怒らせてしまったり、疲れさせてしまったり、よかれと思って言ったことでかえって傷つけてしまったり…。
傾聴ボランティアはただのお話相手とは違うことを知って欲しいですね。
日常生活で自分が知っているのとはまったく違う状態の人にどう接するか?
すべての人がそうではありませんが、そういう人もいる前提で傾聴ボランティアに行かないといけません。
また相手の尊厳を守る配慮ができなくなる人もいます。
たとえば、
・年上の先輩たちに対して赤ちゃん言葉のように話しかけたり。
・家に帰りたいとくり返す人に根拠もなく「大丈夫、大丈夫」といってみたり。
・早く死にたいという人に「お子さんたちはあなたが元気にしてくれていて喜んでる」と、本人の気持ちを置き去りにしたり。
・・・
お話相手ボランティアなら、ただニコニコして世間話でもしていればいいのかもしれません。
でも傾聴ボランティアは違います。
相手の話を聞きながら自分の人間力が問われてしまう場面でてきます。
そういう厳しい面をちゃんと知りながらボランティアできる人を育てて行きたいねと二人で話していました。
この文章を電車の中で書きながらこれから向かう先は、都内某区の傾聴ボランティア養成講座です。
お手伝いではありますが精一杯お伝えして来ます。
本当に聴くとはどういうことかを学ぶ今月2回目の傾聴1日講座は、来週水曜日9月24日飯田橋です。