二週連続で大阪に仕事で来た。
思い返せば3年前、定期的に大阪で仕事ができるようになった頃は、
とにかく出張することが楽しくて仕方なかった。
(仕事としての楽しみという意味以外の旅行気分という意味で)。
いつもワクワクどきどきしていて、
仕事の疲れなどどこ吹く風で、街中を探索しまくっていた。
でも、だんだん慣れてきてしまった。
今までに何回も来ている場所に、二週連続8日間もいれば、
もうワクワクドキドキ感はない。
子供の頃、乗りたくてもなかなか乗れなかった、新幹線に乗ることも、
最近では山手線に乗るのと感覚的に変わらなくなっている自分に驚く。
なにごとも、慣れることは大切だけれど、同時に、
慣れというのは有難みを減らしてしまうという点では怖いものだと思う。
それとは別に、たまたま今回は少しお疲れ気味だったのも
ワクワク感のなさに影響しているのかもしれない。
・・・
夕方前、大阪に着きいつもの定宿(ホテル)に向かった。
このホテルにはもう50泊以上しただろうか。
部屋のカードキー代わりになる会員カードも、
もうボロボロになっていて年輪を感じる。
受付を済ませ、エレベーターで与えられた602号室に向かった。
先週と待った404等室よりも少し上の階。
たった2階分でも高くなれば、それなりに目の前の
大通りから聞こえてくる騒音が減るからいい。
少し休憩をとったのち、用を済ませに外に出た。
深夜前、5時間ほどで用事を済ませてホテルに戻り、自室の戻った。
でも、入り口にカードキーを当てても鍵が開かない。
「おかしい・・・」
仕方なくロビーに戻り部屋に入れないことを伝えた。
フロントの男性から「何号室ですか?」と訊かれたので、迷わず
「404号室」と答えた。
すると男性は少し調べてから困惑した表情でこういった。
「お客様は602号室です」。
「?」
そんなはずはない、確かに私の脳裏には、部屋番号を記憶したときの
「タンポポが鼻に刺さっている」イメージが見えている。
だから404号室で間違いない。
確信をもって602号室ではないといえる。
今度は私が困惑して少して考えていたら、ほどなく理由がわかった。
いつもなら部屋番号を聴いたらその瞬間に「覚える」のに、
今回、覚えることを忘れていた。
私が言った「404号室」は、先週泊まった部屋の番号だった。
・・・
人間の短期記憶(一時記憶)は脳の海馬に、いったん保存される。
しかしその段階で新しい情報が脳に入ってくると
まだ定着(長期記憶化)されていないから、短期記憶は消えてしまう。
私は確かにフロントで部屋番号を「聴きはした」。
でも、その記憶をもとに自分の部屋に向かい、荷物も置いたけれど
しっかりと部屋番号を覚えはいなかった。
一方、
前回と待った時の部屋番号は、確実な方法で記憶していた。
だから、
あいまいな新しい情報(今回の部屋番号)は、
確実な長期記憶を上書きでなかったというわけだ。
私が602号室を覚えられなかった理由はたった一つ。
「ちゃんと覚えようとしなかったから」
だった。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「覚えようとしないことは、忘れるのが自然」
聴いたことがあるという事実と、覚えられているかどうかは
脳のレベルでは関係がない。
ところが、人というのは面白くて、
「聴いたことがあるのだから、覚えているはずだ」
と、あたかも記憶力が悪いかのように、
自分を責めたり、自信をなくしたりする。
よほど衝撃的な出来度とでもない限り、
「覚えようとしないことは、覚えられない」。
これが脳の自然の法則。
私の脳は「ちゃんと機能し得てる」からこそ、
部屋を間違えることができた。
私は、部屋を間違えた恥ずかしい事実は切り捨てて
自分の脳みそがちゃんと動いていることに安心することにした。
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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
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諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)
※岩松の個人的な趣味です
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