子どもの頃は望む望まない関係なく、
先生や親に指示されたことを
言われたとおりするところから、
人生はスタートしました。
それがだんだん大人に近づくにつれ、
イヤなことはやらなくていいようになっていきます。
大人になれば、酒を無理に
飲めいわれないないし、
無理に自分を演じる必要はだんだん減ってきます。
楽ですね。
でも逆をいうと、自分を広げられる機会も減ります。
「ストレス」という単語を辞書で引くと、
「悪い物」とは必ずしも出て来ません。
「刺激が引き起こす生態的な変化」
と出てきます。
ストレス=悪い物、というわけではなくて、
ストレスは「変化を起こす圧力」
というニュートラルな意味もあります。
事実、なにかしたらの外的、内的圧力がないと、
人というのは変化もしないと成長もしません。
ストレスで参ってしまうこともあれば、
ストレスで成長することもある。
だから、ストレスを排除すれば、
参ることが減る一方で、
よき変化や成長も減ってしまう
ことにもつながります。
なにか、ガンの放射線治療が
悪いがん細胞だけでなく、
正常な周囲の細胞も傷つけてしまう、
というのに似ています。
「悪いことが減るのだから、いいこともある程度減ってもしょうがないでしょ」
と考えるかどうかは、人それぞれですね。
どちらにしても、
ストレスを無くしてしまうと人は成長できない。
人生の成功者というのは、
何もせず穏やかにいる人を指すのではなく、
ストレスを自らの中で楽しめる人もまた、
成功者に入るのでしょう。
自分を高めなくても、自己受容できる人はそれはそれでよし。
でも、自分を高めることで、自己受容が促進されるなら、
ストレスは人生に必要なスパイス。
とんかつにソースも塩も何も調味料をつけずに食べると、
素材の味は生きていても、
何か物足りなく感じてしまうのと同じように、
人生からストレスを無くしてしまうと、
無味な人生になってしまうでしょう。
ストレスは悪い物と決めつけてしまえば、
いつもストレスがあるかないかを
気にしながら生きる人生になってしまいます。
つまりストレスに支配される人生。
そんな人生は楽しいだろうか?
それよりも、ストレスがあっても
前向きに乗り越えようとする。
あるいは、ストレスがあっても、
抱えながら別のことに意欲をもって生きる。
私の周りにいる元気な人といのは
そういう人が多いように見えます。
社会には必ずストレスがある以上、
そちらの道を選ぶ方が、現実的で前向きで、
結果的に一番いやなストレスが少ない
人生ではないでしょうか。
「ストレスは悪い」というフィルターをはずし、
「ストレスは当然あるもの」として、
その前提でなにをするか考えて生きるといいですね。
ストレスをなくそうとする人生も、
ストレスに支配された人生なのですから。
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