自分の中に「枠(わく)」があるから、良い人生を送れない・・・。
そう思っているなら、それは間違いかもしれません。
先日、休日に100円ショップに行って
やっと欲しかったものを
買い集めることができました。
・すべらないレンゲ
・押し付けるだけでボウルの中でクルクル回ってくれる簡単泡立て器
・まん丸の目玉焼きを作る用の丸い枠
アイディア商品ばかりです。
「すべらないレンゲ」よりは、
「すべらないギャグの言い方」の方が
もっと欲しい物ではありますが
(このギャグが滑ってるか・・・(汗))
100円ショップというのは
アイディアの宝庫で、
行くと楽しくなります。
「何でこんなにアイディアが出てくるのかな?」
と、考えてみると、その大きな理由の一つは、
「100円という枠があるから」
だと思うのです。
枠があるからこそ、その中で
一生懸命考えるのでしょう。
人間の脳は「枠」を作ることで、
思考がよく働くようになります。
・・・
別の例で言うと、
たとえば、お母さんなら
経験したことがあるかもしれませんが、
「夕ご飯、何がいい?」
と献立の希望を家族に訊いたら、
「何でもいい」
と言われたら困りませんか???
せめて麺類がいいとか、
肉はイヤダとか言ってくれたら楽なのに・・・
なんでもいいなら、
なんでもいいんだろうけど、
範囲が自由で広すぎると、
かえって困ってしまいます。
たしかに人間は自由も求める生き物です。
人間にとって自由は嬉しいはず。
でも、なんの枠もなく
自由すぎるとかえって
不自由になってしまいます。
・・・
以前、80代の知り合いの
旦那さんが亡くなりまして。
長年連れ添ったご主人を
亡くされたのですから、
さぞ奥さんは
落ち込んでいるかと思いきや、
ご本人曰く、
「これで自由になりました」
と意外としっかりされていました。
聞けばもう60年近く、
ずっと我が強いご主人の
言いなりで過ごしてきたのだとか・・・。
「これで何でも好きなことができる!」
と笑顔でおっしゃったのが印象的でした。
ところが、
それから3ヶ月ぐらいして
お会いしたら、元気がないです。
どうしたのかと訊いてみると、
あれからしばらくの間は
行きたい場所に行き、
好きな読書をし放題、
料理の手も抜けるし、
自由を謳歌していたのだそうです。
ところが、しばらくして、
「いつでも何でもできる!」
と思ったら、やる気がなくなってしまい
何をしていいかわからなくなって
しまったのだとか・・・。
ご主人がいた頃は、なにごとも
自由にすることが許されなかった。
なかなか、思うようにできないからこそ
やりたいという強い想いが
わいてきていたのでしょうか。
ご主人という自分を押さえつける
枠組みがとれ自由になったら、
心が不自由にになってしまったのです。
不自由がないと自由もない。
太陽と月、光と影のように
自由は不自由があってこそ
認識できるものなのかもしれません。
ここからの学びは、何でしょう?
自由な人生を送りたいと
誰もが願っています。
自由になるために、
一生懸命自分にある枠を取り払おうと
している人も多いでしょう。
(私もその一人です)
でも、もしかしたら、
本当に自由で幸せを感じたいなら、
むしろ枠はあったほうが、
自由や幸せを感じやすくなる可能性があります。
自分の中の枠の作り方は、
いろいろありますね。
・いついつまでに必ずやると決める「時間の枠」
・どこどこまでやると決める「範囲の枠」
・これはやるがこれはしないと決める「やることの枠」
・いくら以内の予算でやると決める「金額の枠」
こうして自分の中の枠を決め、
明確にすることで、
「不自由になった分アクティブになる」
なるでしょう。
先ほどの、夕ご飯を作る
お母さんの例でいれば、
お母さん自身が、自分の中で
「よし!じゃあ今日は中華料理縛りで考えてみよう!」
と自ら枠を決めることで、
「餃子とホイコーローと玉子の中華スープにしようか・・・」
「いや、メインはエビチリにしようか・・・」
と思考が動き出すと思いませんか?
もしいま自分は自由がない、
アクティティブではない、
そう感じているなら、
自由を増やそうとか
アクティブになろうとするのではなく
むしろしっかりとした「枠」があるか?
枠を見直して、なければ
作ってみてははいかがでしょうか?
不自由にしたほうが、脳はアクティブに動きます。
よかったら、やってみてください。
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