守っていたら、勝手に破ける

「守っていたら、勝手に破けた」

これが本当の守破離ではないかと思う。

・・・

セミナー、飲み会、インタビュー、ビジネスの打ち合わせ中・・・。

最近、人と会っていると、あらゆる場面で

いきなり個人的な相談がはじまることが多い。

昔もときどき、そういう目的外の場所で

はじまってしまう相談はあったけれど、

正直、重荷だった。

カウンセラーという職業上、関係ない場面で、

突然、人生相談が始まってしまうことはあり得る。

はじまってしまえば、

そのことに気付かないことない。

「はじまった」とわかる。

でも、正直、本来の目的から

逸脱されると面倒くさいと思ったし、

スイッチを切り替える余裕も、実力もなかった。

そんな時でも、精一杯、形ばかりの

うなずき、あいづち、くり返しはしてみせて

カウンセラーっぽく聴いている「フリ」は試みていた。

でも、ちゃんと関われていないことは、

自分が一番よくわかっていた。

・・・

だいたいそういう相談事というのは、

本来の目的

(セミナー、飲み会、インタビュー、ビジネスの打ち合わせ中)

が9割がた進んだときにはじまる。

インタビュー中なら、インタビューが

終わりに差しかかったことろに

個人的な悩みを打ち明けられることが多い。

「また始まった」と気づきつつ、

なんだか光栄にも思うし、

疲れていても楽しくも思う。

この感覚を例えるなら、サラリーマンが

朝から晩まで目いっぱい仕事をしたあと、

疲れた体を引きづりながら、

今日どうしても見る必要はないのに、なぜか、

半分しか見たい気持ちがない映画を見に、

映画館に行こうとする心理に似ている気がする。

(要するに、疲れていてもやってしまうとういこと)

・・・話を戻すと、

もしそれまで過ごしてきた9割の時間で

私という人物が「あやしい」と思われていたら

きっと話してもらえない。

他の目的で人と接しているときは、

特に傾聴を意識的にやっているわけではない。

そんな私でも相談するに値すると

判断してもらえたということだから光栄。

「このチャンスを逃したくない」

と思うから話してくれる。

・・・

とはいえ、相談が始まったからといって

こちらが「カウンセリングモード」に

切り替わるかというと、それはない。

相手が話していることをちゃんと聴きとるため、

共感的に受け止めて聴くモードに

スイッチは入れる。

でも、「伝える」ことも躊躇なくする。

カウンセリングとも、一般会話とも違う。

なにか独特の聴き方をしているように思う。

無理なく自分らしく聴けている感覚がある。

むかしは、そういう器用な

聴き方の使い分けはできなかった。

いまは聴くときに

「どの立ち位置で聴くか」

迷うことがない。

自分に安心して聴く事が出来る。

「聴かない」という選択も自由にできている。

だから、聴いていてストレスがない。

「守・破・離」

という言葉がある。

私は、傾聴の型を「破ろう」としてない。

下手くそでも、先生から教わってきた

傾聴の型を12年間「守ろう」としている。

でも、傾聴を真摯に守ろうとし続けていたら、

傾聴以外のものとの境界線が

はっきりとクリアに見えてきた。

それで線引きができるようになった。

線引きができたことで、

使い分けが自由にできるようになった。

「破った」のではなく、

「守っていたら、勝手に破けた」

破けちゃったら、つぎは勝手に漏れ出して

離れていくのかもしれない。

でも、守ろうとしているから、

いつでもまたそこに戻ることもできる。

自由な感じ。

傾聴に限らず何事も、

能動的に破ろうとするのは、

まだ未熟なのだと思う。

いま目の前のものを、

真摯に守り続けていれば、自然と破れていく。

それが本当の「破」の意味ではないだろうか。

一つのものを守ろうとすればするほど、

「自由になる」

この感覚は実に面白い。

・・・

いま、まだ自分の型が定まらない人がいるかもしれない。

もしかして、いろいろなものに

手を出しすぎてはいないだろうか?

いいものを探す時期は必要だけれど、

いろいろ知り過ぎても、脳は迷いはじめる。

「ビビッ!」と来る運命的な出会いなど、ほぼ来ない。

自分の意思をもって「これにする」と決断しないと

一つに絞ることは、なかなかできない。

私も12年前、傾聴に「ビビッ!」とは来なかった。

いたしかたなく「これを10年続けよう」と決心した。

タイミングは自分で作るもの。

12年たってもまだまだ未熟だけれど、

ようやく「守る」=「楽になる」が見えてきた。

守破離の本当の意味が、

わかってきたように思う。

自分にとって「いいもの」「合うもの」を

探しすぎていないでしょうか?

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「守るり続けるものを、一つ決めよう」

人間の脳は、選択するのに使う時間が

短ければ短いほど、選んだ結果に対する満足度が高く、

決める時間が長ければ長いほど、

結果への満足度が下がることがわかっています。

(買い物でよくありますよね)

選びすぎず「コレ!」と早く決めてしまって、

一つのことに打ち込んだ方が、

満足度が高い人生になるのかもしれません。

<お知らせ>

コレ!と決めてしまって始めた傾聴1日講座。

12年で280回やっても飽きません。

来週は、東京~名古屋と傾聴1日講座が続きます。

楽しみです。
 ↓
http://bit.ly/2qEHbIB

 

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