逆に行く

珍しく通勤ラッシュ時間帯に
満員電車に乗った。

はじめて会う会社の方と
都内に打ち合わせに行くためだった。

普段乗らない満員電車は、
息苦しくて嫌になる。

これに毎日乗っている人は
エライ・・・というか、
こんな生活は何かおかしいと、
疑問を持ったりはしないのだろうか?

と、余計なおせっかいが脳裏をよぎった。

・・・

少し余裕を持って家を出たけれど、
新橋駅に着いて地下鉄に
乗り換えようとしたら
改札の前で人が大渋滞していた。

トラブルでもあったのかと
一瞬思ったけれど、
なぜかみんななぜか冷静だ。

どうやらこれが毎日くり広げられている
ホームが混みすぎて入場できない
通勤ラッシュの当たり前の光景らしい。

人が多すぎて電車を降りるのも、
階段を降りるのも、歩くのが時間がかかり、
少しずつ時間が押していた。

時計を見るともうあまり時間がない。

「このままだと遅れそうだな・・・」

初めて会う会社さんとの
打ち合わせだったので、
特に遅れたくない。

その時、

ふと見ると、私が行きたい方向の
ホームへ向かう階段は混み混みだけれど、
反対側に向かうホームへの階段は
人がまばらなことに気がついた。

「これだ!」

私は迷わず反対側に向かう
電車のホーム降りた。

ちょうど電車が来たのですぐ乗った。

何をしようとしているかというと、
一旦、1個手前の駅に行ってから
反対側の電車りなおすことにしたのだった。

一駅逆に行くと銀座。

早朝から銀座駅から電車に乗る人が
たくさんいるとは思えないというのも、
この選択をした理由の一つだった。

銀座に着くまでの数分間、
どうなっているか
ドキドキしながら待っていた。

そして、

銀座駅につくと案の定ガラガラで
しかもちょうどホームの反対側にも
私が行きたい、いま北方向に向かう
電車が到着したところだった。

迷わず飛び乗ったその電車も
ガラガラだった。

混んでいたのは新橋駅だけだった。

電車が新橋につくと、
給料日の銀行のATMに並ぶ人のようにに
まだ何百人もの人が相変わらず
整然と並んで待っていた。

それを見て思った。

「常識的というのが怖い」

と。

もちろん、毎日のことだから
一駅戻るのが面倒と
思う人がいてもおかしくない。

だけれども、

結果的に、一駅戻った方が
早く楽に目的にち行ける。

前に進みたいときほど、
一旦逆に行ったほうが
結果早いことがある。

そういうことは、
考えないのだろうか?

常識的に前ばかり向いていると
うまくいかない。

・・・

カウンセリングもそれに似ている。

改善させたい、気づかせたい、
元気にさせたい。

そういう前進することばかり考えていると
まったく前に進まないことがある。

なぜなら、心の中でネガティブな部分を
受け止めきれてなかったり、
消化できていないからだ。

前に行きたいときほど、
前に行くのをいったんあきらめて、
後ろ向きのことをやってみる。

すると後ろが整ったら勝手に、
前に進んでいってしまうなんてこともある。

常識的にしていれば、成果は出ていなくても
社会から批判はされない。

常識的にやらないと、成果は出ていても
社会から批判をされるかもしれない。

でもやはり、

常識的であることが人生の目的ではなくて、
結果的に良い成果を上げるのが目的なら、
常識的な分とは別に、
非常識な視点も持てる人のほうがいい。

逆をやったらどうなるか?
逆の考え方はあるか?

そのことが問題解決を早く進めることも、
他人への理解を深めてくれることがある。

でも誰も非常識な
人間になりたいとは思わない。

常識的な人にとって、
非常識になることは恐怖でしかない。

そういう人にとって
逆にいくのはとても怖いだろう。

でももし常識的でありすぎる自分に
少しでも不安をもっているなら、
すごく簡単なことから、
非常識なことを始めるリハビリを
してみてはどうだろうか。

いかがでしょうか?

あなたは逆に行ったからこそ
うまくいった経験はありますか?

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