理解の限界

以前、某上場企業の人事担当の方から
社員のケアについて相談を受けたことがあった。

社員不満の吸い上げ、緩和の
仕組みづくりしたいという。

ストレスチェックの流れの一環らしい。

結構なことだと思う。

ただ、なにぶん初めてのことなので、
どうしていいかわからないと。

そもそも、

カウンセリングや傾聴の
効果がよく理解できないと。

そこで、

平たく言うと、元気になる、すっきりする、
安心する、心のエネルギーが上がる、

心の状態が落ち着く・・・
などと説明してみた。

しかし、担当者からの質問は続いた。

「頭が整理されて、会社での役割をちゃんと理解できるようになるということでしょうか?」

まだ、こういう感覚の人がいるんだなぁ・・・
と、ちょっと驚きを感じつつ、

「ちょっと、よくわからないものですから・・・」

と常に謙虚な姿勢に、同情と時代の変化を感じた。

もしこれが10年前なら、
カウンセリングを受けるような人は弱いやつで、
そもそも根性がないおかしなヤツ

という雰囲気をプンプンかもし出す企業人が山ほどいた。

「心が病んでいる人(こと)がある」という
昔から本当は存在した事実が
多少市民権を獲得してきたように思えた。

・・・それはともかく、

カウンセリングをするとどうなるのか?
話を聴くとどうなるのか?

理解しようとする質問は続く。

「自己反省できるようになるということでしょうか?」
「仲間の立場を理解できるようになるということでしょうか?」

その質問に、何回も角度を変えながら
出来るだけ丁寧に説明していった。

でも、本当は頭の中ではわかっていた。

いくら口で説明しても、ほぼ無駄であることを。

・・・

担当者ご本人は謙虚で必死なのだけれど
私の前にいるのは、社員のケアについて、

・頭が整理できず混乱し
・会社から与えられた役割を理解できず悩み
・不満やメンタル不調を抱える仲間の立場を理解できず

にいる、悩める人事担当者だった。

(唯一、反省・・・というよりは、ちゃんと理解しようとする誠意をこの方は持っている)

ある程度話を聴いたので、ここで私は尋ねてみた。

「話を聴くとどうなるか・・・ですね。

例えばいま、1時間ほどいろいろお話しいただきました。

いかがでしょうか?

いま、私に対してどのような印象をお持ちですか?

コイツには相談しても無駄だという印象はありますか?

責められた感じ、否定された感じ、
取り合ってもらえない感じはありますか?

・・・もしないのだとしたら、

それは、

説明もいろいろしましたけれど、
基本的に傾聴やカウンセリングの手法を使って、
話を伺っていたからです。」

担当者「・・・少しわかった気がします。」

・・・

悩みやストレスが表出している人が異常な人で、
それ以外の人が正常な人なのだろうか?

もしかしたら違うかもしれない。

悩んでいる人は、
自分の問題に気づいている人で、

それ以外の人は自分の問題に
気づけずにいるだけの人なのかもしれない。

自分の悩みを認められるようになれば・・・、

あるいは、

自分が悩む人間であることを認めることが出来れば、
カウンセリングや傾聴の本当の意味を
理解できるようになるでしょう。

答えを見つける種は、いつも自分の中にある。

その種の生かし方は、
外に意識を向けていてはわからない。

人の悩みを理解したいなら、
自分の心の声を傾聴するのがいい。

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