吉本興業、岡本社長の会見から分かる「自己防衛の心理」

いつもありがとうございます。

洋服はSサイズでも余裕が出てきた、岩松正史です。

おとといの午後ネット配信されていた
吉本興業、岡本社長の会見を見ていました。
昨日のBLOGではその会見を見て分かった
「言葉の上下関係の大切さ」について触れました。

↓きのうのBLOG
吉本興業、岡本社長の会見でわかる「言葉の上下関係」の大切さ
他にも気づいたことがあったので、
今日は自己防衛の心理はどこから来るか?

考えてみたいと思います。

岡本社長は、

「緊張をほぐそうとして、テープ回してるんちゃうん?」
「意見がまとまらず混とんとしていたので、ファミリーとして父親が勘当だというように、『首だ』という言い方をした」

と説明していました。

この2つの発言から、
岡本社長が自分では気づけない
投射(投影)の心理が見えてきます。

・・・

まず、

岡本社長の接し方は、
前提から間違えていました。

危機の中にさらされ続けていた
宮迫さんや亮さんたちの精神状態は
正常ではなかったはずです。

うつ病とまではいかなくても、
うつ的な状態、

あるいは急性ストレス障害(ASD)や神経症など
不安定であった可能性が高いです。

一見元気そうに話をしているように見えても
精神的に不安定な時は思考がまとまりません。

会話が混とんとしてしまうのは
当たり前です。

岡本社長は健常者という前提で
冗談を言って和ませようとしたのかもしれません。

でもそもそも、

精神的に不安定な人という前提で
関わる必要があったのではないでしょうか。

また、

(ここからが投射の心理の本題ですが)

岡本社長の主張にウソがないという前提で話を進めると

「混とんとした会話が展開される様子を見て、被害者の方がないがしろにされているようで苛立った」

というのは、

実は、自分の立場が危うくなっている
恐怖心の投射です。

自分が混とんとしているときほど
混とんとしている人の姿を見るのはつらく。

自分が恐怖を覚えているときほど、
恐怖におびえている人の姿を見るのはつらい物です。

・「和ませたいと思った」
→ 和みたいと自分が思っている

・「被害者の方がないがしろにされているようで苛立った」
→ 自分の立場の危うさへの配慮がされていないことに苛立った

・「ファミリーとして親心で言った」
→ 社長として服従させたくて言った

全て自分の感情に原因を置き換えることが出来ます。

父親が子に勘当だというような気持ちで
首だと言ったといいますが、
その「親が子に」という感覚そのものが

そもそも上下関係を盾にして、
自分の意見を通そうとする権力欲です。

プライドが高い人ほど

「自分が怖いから●●した」
「自分を守りたいから●●した」

と自分の弱さを認めるのが難しいものです。

自分の弱さをさらけ出すよりは、

「相手のために」
「他に困る人がいるから」
「親切心で」

と善意であると思い込むことで
自分心の奥底に潜む恐怖心や
他人を支配したい欲求を隠そうとします。

それが、

人間が当たり前に持っている防衛反応です。

(私の中にも当然あります)

投射は誰にでも当たり前に起こり得ます。

でも特に、

自分の中にあるネガティブな感情を
直視できないプライドが高い人。

頑張ることで人生を作り上げてきた人に
強く表れます。

自分の気持ちを直視してしまったら、
(精神的に)生きて来れなかった人たちです。

でも自分の気持ちを見ないことで自分を守っているうちに
人の気持ちもよくわからなくなってしまいます。

それはもはや性格というか、
人生をかけて自分を守るために作り上げてきた
自己防衛システムなので簡単には変わりません。

もしそれでも変えていこうと思うなら
日ごろから怒りや苛立ちといった
ネガティブな感情が起きたときに

「自分の中に起きているこのネガティブな感情は、自分の中にある、自分では認めたくない良からぬ感情を覆い隠すため、それを正当化しようとしているはずだ」

と自分を疑ってみることです。

自分の心がよくわからなければ
心を伝えることは出来ません。

心があるかないかというかよりは
自分の心の声をちゃんと
聴けているかどうかの問題です。

自分の心の声を聴けるようになれば
一部の吉本の芸人さんが期待を示していたような
「心の入ったコメント」がしやすくなるでしょう。

もし、いまからでも、
宮迫さんや亮さんの気持ちを
聴きたいともし本当に思うなら、

まず、岡本社長ご自身が自分の
心の声をちゃんと聴くことから
始めることをお勧めします。

傾聴力とは、
相手に聴いてあげるサービスを
提供することではなくて、

自分の心の声を聴けるようになった分だけ
他の人の心の声も聴きやすくなり
結果的に寄りそえるようになっていく
というだけのことです。

自分への傾聴が高まるから
他人への傾聴力が高まるという順番です。

「自分への傾聴」を別の言い方をするならば、

「一致」
「フォーカシング」
「マインドフルネス」
「瞑想」

と呼んでもほぼ同義語でしょう。

・人を和ませたい=自分が和みたい
・人のため=自分のため

です。

自分の気持ちがわからない人は、
人の気持ちもよくわかりません。

これをお読みいただいているあなたも
ぜひ心当たりがないか自分を見直して
自分への傾聴力を高めてみてください。

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傾聴の基本を学びたい方には、
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<<編集後記>>

きのうは体の休息日で整体に行ったあと
数か月ぶりにひとりカラオケに行きました。

多いときは週3回くらい行っていましたから(笑)
かなり久しぶりです。

ブランクがあるので高得点は出ないものの
いままでよりも楽に高い声が出すことが出来る
発声法を見つけました。

楽な分抑揚が弱くなってしまうので
そこを補う練習をします!

今日は終日、傾聴心理士養成講座です。

今日もいい一日をお過ごしください!




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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)

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