傾聴の講義中、私の説明を聞いて、ある人生の先輩である女性受講者がこういいました。
「まさにunderstandですね」
・・・
相手を理解したいなら、傾聴するときは常に自分を「いい意味で疑っている」ことが大事です。
と、よくお伝えします。
なぜなら「わかったつもり」になると、ちゃんと相手を理解することが出来ないからです。
・自分はいつも無知である
・自分的にはわかった気がしているけれど、きっと勘違いや理解漏れがあるはず
・この件に関して私がわかったと思う感覚と、相手がわかってもらえたと思える感覚は、違うに違いない
そう「自信を持っている」ことが大切です。
面と話し手と向かい合いながら、一方で、自分の中にこういった自分を疑う感覚をもっていると、より正確に、深く、相手を知ることができます。
そのように講座内でお伝えしたら、
先ほどの、人生の先輩で女性受講者の方が
「まさに、understandですね」
とおっしゃったのです。
相手を理解するためには上に立つのではなく(overstand)、「under(下)」に「stand(立つ)」のだと。
それを聴いたとき、なるほど!ウマイことを言うなと感動しまして。
あとで、なぜ「理解する」が「understand」になったのか?
語源を調べてみました。
すると・・・
明解な答えがない!!!
ますますミステリアスで興味深いです。
・・・
調べる中で、一つ出てきたヒントがありました。
underは「下」という意味と合わせて古英語では「何かと何かの間(=between)」という意味があるそうで。
仮にそれが語源だとしても、問題なさそうです。
自分という人間と相手という人間の間に自分の意識を置き、中立的に聴くことで、私感に囚われず、客観的に理解できると解釈も出来そうだからです。
相手をちゃんと理解したいなら、自分を上に置かない。
言い換えるなら、カウンセラーなら、カウンセラー様にならない。
誰かから相談されたからといって偉いわけでもないし、相談のスキルが上手というわけでもない。
自分には、肩書があってもなくてもただの「人」(私の場合オジサン)であり、それ以上でも、それ以下でもない。
自信過剰でも自信喪失でもないニュートラルな位置に身を置くことで、個人的なフィルターにより歪められていない、本当の理解が進むのではないでしょうか。
いかがでしょう?
これをお読みいただいているあなたの人との接し方はundertstandでしょうか?
それともoverstandですか?
安心してください。
あなたには(私にも)人を救えるような能力はありません。
だから、虚勢を張って上から目線になる必要もありません。
自分の無力を認められたときにこそ、本当の意味で人の役立つことが出来たります。
そんな経験が、過去に多々あります。
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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)