共感とは「同感+客観」

いつも傾聴講座の中で

お伝えしている共感の定義は、

「聴き手は同感を感じていても(いなくても)どちらでもよいが、仮に同感していたとしても、その気持ちに気づきつつ、その同感(できる、できない)は横に置いておいて『私も同じ』『私はこう思う』という表現をせず、『あなたは~(思う、感じる、考える)』という風に、相手が思っていること、感じていることがそうであることを分かることを共感という」

と、しています。

つまり

同感(agreement)と共感(empathic understanding)は

相反するものではなく、

“共存しえるもの”

とも言えるし、

言葉は似ていても

“一切無関係なもの”

なのです。

共感と聞くとついその言葉の響きからなんとなく

「相手と自分が同じになること」

と、思う人がいますが、

実際私が傾聴をする時にしていることはむしろ逆で、

「相手の感情と自分の感情をしっかり分ける」

と、いう作業をしています。

これが傾聴の練習でとても大切なことです。

「カウンセリングをしながら、相手から”もらう”ことはなですか?」

という質問をされることがあります。

これこそが相手の感情に巻き込まれてしまっている状態です。

たとえば、

カウンセリングの場合、

カウンセラー自身が母親との関係が悪かったりすると、

母親から子供の問題の相談を受けている時に、

つい子供寄りの意見を言いたくなったりします(転移)。

「これは相手のことで、これは自分のこと」

と、いう風に相手の感情とと自分の感情を

しっかりわけられることで、

「巻き込まれるのではないか」という心配がなくなり、

本気で相手を支え(分かり)に行くことが出来るようになります。

ですから、

共感的に話を聴くときのポイントは

(1)同感(できる、できない)を感じている自分をクリアにわかること

(2)同感している自分に気づきつつ、その気持ちは横に置いておいて、相手が感じていることを理解し感じること。

(3)その時のコミュニケーションの方法としては「あなたは~」という言い方になる

同感(出来る、できない)と感じている自分を

客観的に理解する、あるいは

俯瞰(ふかん)してみる能力が求められます。

C.ロジャーズがいう「一致(congruence)」とは

まさにこの聴き手自身が自分の内面に意識が向けている状態を指します。

ロジャーズは傾聴の3つの姿勢「受容、共感、一致」の中で、

一致が最も大切であるといったそうですが、

本当にその通りです。

一致がなければ、受容も共感もできないということで、

とてもわかる気がします。

「客観的」という言葉を使うと

「それは冷たい態度では?」

と、いう人がいますがそれは違います。

客観的な自分をもちつつ、

あたたかく相手を感じ関わることこそが

傾聴で練習するところなのです。

でもそういう感覚をもった人がいないので、

よくわからないというのは当然でしょう。

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