聴き上手は、伝え上手(後編)

きのうは、傾聴は聴くだけでなく、

伝えてお互いに分かりあうのが大切だ

というところまでお話をしました。

>昨日の記事

今日はその続きです。

・・・

もし対話の中でわかった(と思う)ことを

自分の中に留めず共有して

「分かりあおう」

とすれば、

必ず自分を伝える場面が出てきます。

その時に同感的、分析的な感想を伝えるだけなら

日常会話と同じになってしまうおで

「伝え方の工夫」

が必要になります。

聴いたら伝える。

伝えたら聴く。

聴くと伝えるはワンセットです。

「話すのが苦手だから、聞き上手ならできるかと思って」

と傾聴を学びに来る人もいますが、

実は本人が気づいていなくても、

伝えるのが苦手な人は聞くのも苦手な人なのです。

(とても論理的に話せるけれど、相手の心には届いていないとか…)

聴く練習をすることは伝える練習にもなるので、

聴きやすくなれるよう練習すれば、

伝えるのもうまくなったりします。

傾聴は心の声を聴くスキルだといつもお伝えしています。

相手の心の声を聴くこと言うことは、

その話を聴きながら自分の心に何が響いたか?

自分で理解(自己理解)することとイコールなんですね。

ところが聴き手自身の感受性が乏しいと

相手の話を聞きながら心が動かないので、

相手の気持ちは「わかりません」。

相手の気持ちがちゃんとわかるかどうかは、

聴き手の心のアンテナの高さ(強さ)に比例します。

知識や技術をいくら練習しても、

自分の心の声の聴き方(伝え方)が

おろそかだと聴き上手にはなれません。

逆にいえば、

自分の心の声を聴くことさえ出れきれば、

(そして感じたことを誠実に表現さえできれば)

それだけで聴き上手とも言えます。

知識や技術は後からいくらでもついてきます。

勘違いしている人が多いのですが、

気持ちが分かるというのは

相手が何を感じているかの問題というよりは、

それを聞いている自分が何を感じているか?

聴いているほうの心の感度の問題なのです。

(1)聴き手自身の感受性が乏しいと、相手の気持ちを感じる感受性がない。
 ↓
(2)感受性が鈍い(ない)から自分の気持ちをクリアに理解できない。
 ↓
(3)モヤモヤだけしてクリアに理解できていないので、感情の言語化(自己開示)ができない。
 ↓
(4)どう関わっていいか困るのでいつも慣れ親しんでいる同感的、分析的な感想や意見を言ってしまう。
 ↓
(5)相手は気持ちを発信しているのに、アドバイスしたり感想を伝えたり一般会話的に事柄で応答してしまうので会話が気持ちの主訴からずれる。
 ↓
(6)「気持ち」に「事柄」で応答することで、会話が事柄にどんどん流れてしましお互いに気持ちではなく事柄について語り始める。
 ↓
(7)余計に気持ちが分からなくなる。

という構造です。

10年間、傾聴を続けてきて分かったことはとてもシンプルです。

「自分の気持ちへの感受性が低い人は、他人の気持ちへの感受性も低い。」

以上。

考えてみたら当たり前のことですね。

自分にできないことを他人にしようなんて

できるわけがありません。

ちなみに補足です。

ここでいう「感受性が高い」というのは、

感情的になりやすいのとは意味が違います。

「自分の感情をちゃんと言語化できる状態になっている」

という意味です。

感情「的」になるあるいは相手の感情に巻き込まれやすいという

意味ではありませんのでご注意ください。

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