~「~すべき」と「~したい」をわけて聴く~ 著書「聴く力の強化書」原文より抜粋

「聴いたらいいときと聴かない方がいいときはいつですか?」と質問されます。

答えは簡単です。
「聴きたいときに聴く」。
会社の管理職の人からは「聴けないときはどうしたら聴けるか?」質問されることもあります。
これも答えは簡単です。
「どうせ無理してちゃんと聴けないのだから、聴かない」です。
最近の管理職は管理職とは名ばかりで、自分も現場で仕事をしながら部下を管理するプレイングマネージャーが増えています。
すると自分も急ぎの用事がある中で部下から話しかけられたりすることがあるでしょう。
マニュアル的にアドバイスする事は出来ます。
でも本人が聴けないと言っている時に、聴く方法などあるのでしょうか?
私たちは人間です。
いつでも周囲の期待通り振舞う事などできません。
ところが役割や立場というのは厄介で、それがあることでついできないこともできなければいけないような錯覚に陥ってしまいます。
でも考えてみてください。
もし天才バッターであるイチロー選手が休日に新宿街をぶらぶら散歩していたとします。
そのときいきなり後ろから何も言わずにボールを投げられたら打てるのでしょうか?
不意を打たれているし打つための道具もないのですから打てるわけがありません。
その打てっこない状態で投げられたボールを打てなかったことについてイチロー選手がいちいち「おれはメジャーリーガーなのに・・・」と自分を責めるでしょうか?
するわけがありません。
私に言わせれば、聴けないときに聴こうとすることはそれと同じことをやろうというのです。
出来ないことはできないと認めましょうということです。
こんな例でもあれば簡単に理解できるのに、立場や役割が付いたとたん聴けない自分が何かいけないのではないかと感じてしまうから不思議です。
このように立場や役割というラベルから来るフィルターは自分で外すしかありません。
つまりこれは聴き方の問題ではなく管理職という事に対してその人が持っている「フィルターの問題」なのです。
※原文からの抜粋なので、書籍とは内容が異なります。

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