もっといえば「聴けない人が増えている」と言っても言い過ぎではないかもしれません。
個別に見れば身近に聴き上手ができたという人もいるでしょう。
でもやはり全体としては増えていません。
2007年に傾聴を伝え始めた頃、傾聴の認知度はかなりに低いものでした。
心理学を学んだことがある一部の人だけが知っている用語でした。
一般の人に傾聴というその言葉の響きからただ前のめりになって一生懸命聴く程度の理解でした。
私自身も傾聴を学び始めるまでは似たようなものでしたらか当然と言えば当然です。
聴く事に対するニーズより相手をどのようにして思い通りに動かすかへのニーズがまだまだ高い時代でした。
当時知り合いだった経営者に傾聴の大切さを説いたら「でもね、やっぱりビジネスではどう伝えるかのほうが大事だよ」とあたりまえに諭されました。
そのころに比べたら、最近は傾聴のニーズははものすごく増えました。
本も増えました。
学べる場も増えました。
数年前からは傾聴ボランティアブームもはじまっています。
傾聴の認知度はここ数年急に上がったと感じています。
事実いまでは講座参加者の8~9割はインターネットで「傾聴」と検索をかけてくる方です。
傾聴も出世したものです。
昔はAmazonで検索をかけても「聴く」あるいは「聞く」に関する本は数える程だったのに、いまでは何十冊もあってどれにしようか悩みます。
きくことに関心が高い人にとってはよりどりみどりの贅沢な時代です。
阿川佐和子さんの本がベストセラーになったように「きく」ことがいま注目されています。
にもかかわらず周りには聴き上手があまり増えていません。
傾聴の認知度が上がっている割には聴き上手は増えていないと思うのです。
どう思いますか?
※原文からの抜粋なので、書籍とは内容が異なります。
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