受かりたいより落ちたくない

中学生のころ一番気にしていたことは

愛されなくなるだろうと薄々感づいていたから

「受験で落ちたくない」

ということでした。

見たことない高校への期待感、

ワクワク感よりも、とにかく

落ちたくないと感じていました。

そう思ったのは、

兄が地域で一番偏差値の高い高校に受かって、

ものすごく褒められていたみたから・・・。

また、

褒められていただけでなく、

「まだまだこれからだから」

とはっぱをかけられていたのを見ていたから、

子供心に

「これは自分も落ちたら大変なことになる」

と思っていました。

それはきっと親からすれば

子供のためなのだと思いますけれども、

成績が良いのをほめるときにもし、

成績が悪くても愛情は変わらないことも併せて

伝えられていたならば、

そんな恐怖は感じなかったことでしょう。

もしいまそういえば両親はきっと、

「成績にかかわらず愛してるに決まっている。」

といってくれることでしょう。

理屈ではわかります。

でも、成績が良いことをほめる言葉ほどは、

言葉としては伝わっていなかったのでした。

ときどき父親の学歴の低さを愚痴ってみたり

自分の学歴の高さを誇ってみたり

母やの持つのプライドの高さと、

父親が持つ学歴の低さに対する

コンプレックスは子供に伝播して

子供のプライドの高さとコンプレックスとなり、

未来の学歴に対しては期待感よりも

失敗してプライドが傷つくことへの

恐れしかなかったように思います。

そしてエスカレータに乗って受験をせず

大学まで行ったことで、

最低限のプライドを守れたのと同時に、

受験できなかった自分にコンプレックスを

抱えて生きることになったのでした。

「受かる喜び」

よりも、

「落ちる恐怖」

が圧倒的に勝っていたのでありました。

まあ、当時の自分の中の恐怖を思えば、

この致し方ない、ベターな選択でしたね。

いまこの年になってこの話ができるのは、

学歴ははあってもそれはそれで

うらやましい面もあるけれど、

なくても大丈夫だという自信があるからです。

何をもって人並・・・の生活

と、呼ぶのかはよくわかりませんが、

40歳を過ぎて高すぎる学歴などなくても、

満足できる人生があることを知りました。

・・・

先日、生まれて初めて四十肩をしたのは、

(だいぶよくなりました)

「こうやって、人の体も人生も、ある日突然今まで当たり前にあったものを喪失していくのだろう」

という喪失の疑似体験としては、

なかなか意味のあるものでした。

もうこの年になったら、

欲しくても手に入らない「何か」への

「諦め」と「受け入れ」

も根付いてきて、

いまさら人と比べることよりも、

残された自分の人生を

身の丈に合った高さで、

よきものにしたい願望のほうが強まっています。

(お金はいくらでも大歓迎でほしいですが(笑))

そうしたら、

過去に手に入らなかったもののことなんかより、

いまはあるけれど、4、50年以内の近い将来

必ず失われて行ってしまう、

今の自分を支えてくれている大切な

「何か」とともに、

残された人生をよりよく過ごしていくことのほうが

よっぽど重要な課題であります。

・・・

先日ニュースで、最近の3、40代は

将来への希望が薄いというアンケート結果が出ているのを見ました。

世の中には、何かの理由があり、

3、40代で人生の苦境に立たされている方もいることでしょう。

でも、特に大きな問題もないのに、

他人と比べ、過去と比べて今持っていないことを嘆いて

絶望を感じているだけの人もいるかもしれません。

希望が持ちにくい社会であるということも

なんとなくわからないでもないのですけれども、

社会に希望が薄いとしても、

自ら進んでその希望の薄さに

巻き込まれていく必要もないわけであります。

また、仮に薄い希望の中にあっても、

今日一日を照らすためだけの、

小さな希望というのもきっとあるはずです。

それを見つけられるかどうかは、

実は自分次第だったりします。

良くも悪くも、人は人、

自分は自分でありまして、

幸不幸の量や質を比べることなどできませんが、

苦労もあり楽しみもある

42歳最後の夏、

いまが人生で一番生きがいがあり

幸せであります。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「私は私の力で、幸せにも不幸にもなることができる。」

何かの条件が満たされないと、

幸せになれないと思っていると、

いま目の前に転がっている、

幸せになるチャンスを見逃してしまいます。

何があってもなくても、

私は私の力で幸せになれる!

その自信がいまの私を支えてくれているのでした。

これをお読みいただいているあなたは、

条件がそろわなくても幸せになれる

自分を信じていらっしゃるでしょうか?

<お知らせ>

条件がそろわなくても幸せになれると信じられる人は、

他人に対して同じ心をもって接することができるようになります。

自分への見方が他人に投影されるのです。

他人との関係を見つめなおしたいなら、

自分との関係を見つめなおすことをお勧めします。

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