あるとき、寝室で先に寝ていたら、
居間から妻と娘の声が聞こえてきた。
激しく喧嘩をしているようだ。
ことがおさまってから居間に行くと
娘だけが、そこにいた。
どうやら、夜遅くまでゲームを
やりすぎていて怒られたらしい。
こういうとき、親という「機能」はよくできていて、
片方が怒り過ぎると、
もう片方がフォローに入り、
バランスをとりたくなる。
私が怒ったあとはよく、
妻がフォローに入っている。
今回は私が、娘のフォロー役にまわった。
そして、娘にこう言った。
「君が部屋を綺麗にしてくれている限りは、お父さんは君の味方だよ。」
なんと・・・、
無条件の愛ではなく、
「条件付きの愛」!(笑)。
・・・
とにかく私は、居間が散らかっているのが嫌いだ。
そして娘はよく床に物を置きっぱなしにする。
そのときは、今回妻がしたのと同様に、
私が娘に強く怒る。
この言い方は意地悪ではなく、
「いつでも味方ではない」
事実をわきまえ正直に伝えたのだった。
・・・
よく育児書に、子供には
「いつでも、何があってもお父(母)さんはあなたの味方だよ!」
と伝えましょうと書いてある。
でも、それは本当だろうか?
いや・・・
「本当だろうか?」というよりも、
現実に、私がそれを言ったら、
本当に娘が味方だと信じてくれるだろうか?
マニュアルに書いてあることは、
いつも正しくて、
そして
現実的ではないことが多々あると思う。
親子の関係には、その場の
ノウハウだけでは埋めきれない
「2人の歴史」がある。
普段必ずしも「味方」のような
態度だけをとっていない親が、
「いつでも味方だよ」といっても
2人の歴史を乗り越えて、本当に伝わるだろうか?
嘘くさくないだろうか?
信じろという方に無理がある。
もし、(100%事実ではないのに)
信じてもらえなくても、
伝えたほうがいいというのであれば、
それは、言うほうの自己満足ではないだろうか?
・・・
では、逆に、いつでも
説得力がある態度を日々とりつづけられるだろうか?
もちろん、親だから重大な事態があれば
命を懸けてでも子どもを
守り切ろうという覚悟はある。
でも、その覚悟があることと、
日々すべてのことに、
味方でいられるかは別のことだ。
親も一人の人間。
希望もあれば、許したくないこともある。
たとえ正しくても、出来もしないことを言えば、
「大人はきれいごとで嘘をつく」
ということを子供は学ぶだろう。
それはしたくないので、極力正直に
出来ないことはできない。
出来ることはできる。
したいことはしたい
したくないことはしたくない
と、伝えるようにしている。
私にとっての事実を伝えたことを、
相手がどう受け止めるか?
それは、
相手が自由に決めていい問題だ。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「正しい態度をとろうとすると、『正しくしなさい』が伝わる」
どう受け止めたかは知らないが、
娘はポツポツと、自分の言い分を
私に向かって語り始めた。
私はその話を否定せずずっと聞いた。
そのとき、ある仮定が思いたった。
「親が自分の気持ちに正直であると、子どもも自分の気持ちに素直になりやすいのかもしれない」
と。
私はこれからも、それを信じてみることにした。
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