残念な結末から成長する

目論見とは違う残念な結果が、

成長をもたらしてくれることもあることを知った。

・・・

娘が買ったインコの世話をしない。

エサや羽が床に散らばっている。

そもそも、うちには1羽しか

インコがいなかったのに、

ある日突然、2羽増えて3羽になっていた。

以前飼っていたモルモットのときもそうだ。

娘が面倒を見なくなったとき、

とばっちりを食うのはいつも私。

絶対に飼うなと言ったのに、

でも、いうことを聞かなかった。

イヤだと何度も言ったが、結局、買った。

でも想像通り、すぐ面倒を見なくなった。

「面倒見ないなら、焼き鳥にするぞ!」

と、インコには、はた迷惑な方法で何度叱っても、

三日坊主で、また面倒を見なくなる。

さすがに焼き鳥にはしないが、

本当に空に放してしまおうかと、何度も思った。

でも、最後にもう一度だけ、

娘の間違いを正すため、

娘のしつけにチャレンジすることにした。

そこで、

パソコンでA4の紙に大きく

「インコ 掃除」

と印刷した貼り紙を作った。

ついでに、

娘はリビングの床も、いつも散らかし放題なので、

「床 かたづけ」

という紙も作った。

その2枚を一緒に、

玄関、階段、階段を上り切った壁、リビングの扉、テレビ台、娘の部屋の入り口・・・

娘が通りそうな、動線、視線に入る

あらゆるところに貼りまくった。

ぜんぶで20枚以上になった。

それほど娘の間違った行動が許せなかった。

娘が学校から帰えってきた。

「なに、これ?」

玄関に入るや否や、さっそく

貼り紙を見た娘は言った。

私は得意げに言った。

「これを見れば、思い出すだろ」。

娘は「ふーん」と、相づちを打った。

そして、続けてこう言った。

 ・
 ・
 ・

「でも、お父さん、これ間違えてるよ。」

何のことだと目をやると、

そこには「床 かたづけ」ではなく、

「床 かたづか」

と間違って書かれた貼り紙があった。

・・・

間違っている娘を正してよろうと

意気込んでいたのに、

逆に、間違いを指摘されて、

恥ずかしかしくなった。

娘はそれ以上、誤字には触れず

「言いたいことはわかった」

といって、玄関をあがていった。

間違いにこだわらずそのまま、

見過ごしていった娘を見て、

間違いにこだわり娘を責め続けている

自分が小さな人間に思えた。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「間違いは、許してなんぼ」

目論見とは違う残念な結果は、

私に少しの成長をもたらしてくれたようだ。

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