娘を愛していることは間違いないけれど

娘を叱ることがよくある。

私自身の自己評価は、

「娘によく怒る父親」

ということになっていた。

ところが、

あるときふと思い立って、

実際にどれくらい怒っているのか？

具体的に思い返してみた。

すると、意外と怒っていない事実に気が付いた。

私が娘に怒るのは、

１．片付けをしていないとき

２．約束を守らない時

３．弟をバイ菌のように取り扱ったとき

以外、思い出すことができなかった。

・・・そう書きながら、いまもう一つだけ思い出した。

娘が4歳の時、一人で赤信号を

渡ろうとしたのを見つけて

ひどく叱った時がある。

でも、それくらいしかなかった。

勉強をしなくても、、

宿題をしなくても、

偏食でも、

お菓子を食べすぎても、

手伝いをしなくても、

私は娘に腹を立てたことがない。

１、２、３以外の時間、つまり一日の大半

怒っていないし、

娘と一緒にいる時間もたいてい、怒っていない。

それが事実だった。

「娘によく怒っている父親」というのは

幻想で、錯覚で、実際の私は、

「だいたい怒っていない父親」

だった。

ではなぜ、よく怒ると勘違いしていたかというと、

「怒る」という感情が動いた記憶は

脳に印象として残ったが、

「怒っていない」感情が動いていない記憶は

脳に印象付けられなかったから、覚えていなかった。

そんな、脳のレベルで見れば単純な

当たり前の現象が起きていただけ。

その事実に気が付いたら、

過去の出来事は変わらないのに、

なんだか自分は、たいがい、

いい父親のように思えてきて

気持ちが楽になった。

意外と心が広い人間のようにも思えてきた。

「よく怒る」と深く印象づけられたのには

もう一つワケがある。

怒ってしまったとき、

怒ってしまった自分をよく責めた。

その責めるというネガティブな感情が、

さらに「よく怒る自分」を印象付けるのに

役立ってしまっていた。

怒る自分を気にして、

怒る自分を責めたおかげで、

「よく怒る親」になることができた。

でも事実が確認できたいま、

もう私は、よく怒る親でいる必要はなくなった。

私は今この瞬間から、

「だいたい怒っていない親」

になった。

過去に起きた事実は何も変わっていないのに、

受け止め方が変わっただけで、

私は、自分を変えることができた。

自分を変えるのに、努力など

一つも必要がないことがよくわかった。

・・・

心理学者のC.ロジャーズは

実際の体験と自己概念の差が、悩みを生み出すとした。

実際の体験とは「事実」、

自己概念とは「受け止め方」。

私の場合、

事実は、「怒っていないことが多い」のに、

受け止め方は「怒っていることが多い」だった。

そのため、

「怒っていないことが多い自分を責める」

という、おかしな行動をすることになった。

悪いことはたいしてしていないのに、

自分を責めるわけだから、

気分が悪くなって当然だ。

さて、

これをお読みいただいているあなたには、

欠点や改善すべきと思っている点はありますか？

足りない点があるのはたぶん事実でしょう。

でも、

足りている点があるという事実も、

同じくらい大切なこととして、

とりあつかえているでしょうか？

あるいは、

全体のバランスとして、

出来ているほうを、過小評価しすぎていないでしょうか？

それは、あなたの能力や人間としての

資質の問題ではなくて、

受け止め方が間違っているだけなのかもしれません。

【この言葉を自分に言ってみよう！】

「欠点だけえこひいきせず、平等な視点で見てみよう」

本当はできているに、それを

出来ていないと否定されることほど、

傷つくことはありません。

でも、

残念ながら、他人から傷つけられることは起こりえます。

せめて、自分だけは、自分を

傷つけない存在でありたいものですね。

＜お知らせ＞

自分の中の心の声がちゃんと聴ける人は、

他人の心の声もちゃんと聴きやすくなります。

傾聴は、自分の心の聴き上手になるほど、

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一石二鳥のスキルです。

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