革靴を履いて歩いていると、靴にシワが出るのと同様に、
人生を歩いていても、人生のシワが出てくる。
人生のシワはどうやって、なくしたらいいのだろう?
・・・
少し前にパーソナルカラー&ファッション診断
というものを受けた。
そこで「似合う靴」のアドバイスをもらった。
私の場合、ビジネス用であれば、
色は黒か、明るくないワインレッド
(黄色ではなく青系のワインレッドと言っていた)。
形は丸型ではなく、少しシャープなとがった形。
素材はスウェードではなく、光沢のある皮、
なのだそうだ。
ファッションのコーディネートというものも、
子育て同様、誰からも習ったことがないから
うまくできない。
いつも洋服など買うときには悩む。
でも、こうして一度、専門家に訊くことで、
ワケがわからず買っていた洋服や靴について
悩む必要がなくなったのは、とてもありがたい。
・・・
ところが問題もなくはない。
教わった通りの着こなしをしようと思ったら、
手持ちの洋服の中にすでにある、
「似合わないと」いわれた
系統の洋服は着られなくなる。
残念ながら、半年ほど前に買ったばかりの
黄色系の明るい茶色のビジネス靴は
リストラの対象になってしまった。
そこで新しく、黒い革靴を買った。
下駄箱はそう広くないし、
履かない靴をとっておいても意味がない。
それにもう、似合わないといわれた靴だから
気持ちよく履けそうにない。
一瞬、捨てようかと思ったけれど、
そこそこいい値段がしたその靴を
捨てるのは少々忍びない。
そこで、
最近、偶然、仕事の都合で
近所に引っ越してきた大学時代の友人が
いることを思い出した。
体格が似た彼に靴が欲しいか訊いてみた。
すると、
「見てから決める」ということで、
後日、自宅まで持って行った。
友人は靴にはうるさいほうだ。
なにせ社会人になって数年間、
靴屋で働いていたことがあるので、見る目がある。
友人は日本の職人さんが作ったといわれた
その赤茶色の靴を快く引き取ってくれた。
ついでに、
私は靴に詳しい友人に、
訊きたいことがあった。
新しく買った黒い靴の
メンテナンスの方法を知りたかった。
新しい靴を一度履いたら、
足の甲の部分にシワができた。
歩き回るのだから仕方がないけれど、
しわを防ぐ方法がないか訊いてみた。
すると
「シューキーパー」
という靴の中に入れて、
形を整える木製の器具があると教えてもらった。
でも、それでも完全には直せないだろうという。
「他にも方法がないか?」
質問した私に対する、友人の返事を聴いて
なるほどと、納得をした。
友人が言った言葉とは
・
・
・
「靴のシワは、その人の個性で味だから。そのままでいいんじゃないかな?」
だった。
私は、シワは
「あってはいけない邪魔なもの」
と思っていた。
でも彼に言わせるとシワは、
その人が歩いてきた人生の軌跡だという。
「私の人生がシワには刻まれているんだ」
と思ったら、
消そうという気持ちがなくなった。
・・・
後日、時間があるときに、靴のシワではなく
「人生のシワとは何だろうか?」
考えてみた。
そうしたら、
年を重ねるごとに額や顔に
出ているシワもあるけれど、
人生のシワとは、
「自分の性格」
のことだと思えた。
あなたは、「自分の性格」について
気になるところはないだろうか?
私はある。
サボりたがり屋で、飽きっぽく、気が短い。
そして、プライドが高い自分はどうなんだろう?
と思ったりすることがある。
でも、なんでその性格になったのか
よくようく考えてみると、
持って生まれたものもあるだろうけれども、
大半は人生を歩いてきた中で
自然と身についてきた性格だった。
悪気があって身に着けたものではなく、
必要があって身についた性格だった。
それがなければ、きっと私は
元気に生きて来れなかっただろう。
人生のシワも、靴のシワ同様
「最初はなかったはずだ」
「もっときれいになるはずだ」
と悪者扱いすれば、気になる。
でも、人生のシワも自然と
必要があって身についた個性で、
味だと思えばそのままでいいと思える。
「シワは悪いものだ」という
思い込みが問題を作り出しているだけだった。
要するに
いまの性格が「いけない」と
思うことだけが問題であって、
「いけない」と断罪しようとさえしなければ、
問題そのものが存在しない。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「欠点を直そうとする思考パターンそのものが、問題を作り出している。」
あなたはシワを「個性で味」だと
思うことができますか?
なかなか思えないシワもあるかもしれませんね。
でも、個性を否定することは、
自己否定だということだけは
知っておきたいものです。
・・・
これからは、新しい靴に増えていくだろう
靴のシワを見るのが楽しみになりました。
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