言いたいのか、聴きたいのか

タクシー運転手さんというのは、

客をすごく見ているといつも思う。

・・・

先日、大阪の会場から駅に向かう

タクシーを、大通りではない

細い路地でたまたま捕まえた。

私は、タクシーの運転手さんに

いつも話しかけたい方なので、

乗車してすぐ、話しかけてみた。

「いやぁ~。もうワンブロック先の大通りまで出ないと(タクシー)つかまらないと思ったから助かりました。いつもは夜で、この時間(平日の昼)滅多に乗らないんですけど、新大阪までどれくらいかかりますか?」

ものの10秒、15秒。

でも、これくらい話しかけると、

運転手さんは

「コイツは話しかけてもいいヤツ」

と理解してくれる。

「15分くらいでつきますよ。」

と返事をもらったあと、あえて話さずに

その後、2,3分は沈黙。

すると、今度は運転手さんは急に話しかけてきた。

なぜ、沈黙をわざと作るかというと、

話したくない運転手さんもいるだろうから、

一回ボールを投げたあとは、

運転手さんに、選んでもらうことにしている。

・・・

運転手「新幹線に乗るんですか?」

私「はい」

運転手「東京ですか?」

私「はい」

運転手「東京までだと、どれくらい時間かかります?」

私「2時間半くらいでしょうか」

なんでそんなこと聞きたがってきたか

はじめ不思議だった。

「何か、個人的な話が始まる」

そう予感し、的中した。

運転手「それだと、福岡行くのとほとんど同じですな。」

(これがきっと本題だ!)

私「そうなんですね。福岡に行かれるんですか?」

運転手「小倉までが、2時間弱で、そこから15分で博多だから、東京より若干博多の方が近いくらいですね。」

私「何か御用時で?」

運転手「まあ、ちょっと親戚の集まりで・・・」

私「そうですか。(はっきり言わないなら、それ以上は詮索しない)」

・・・

聞けば、来年のゴールデンウィーク

(かなり先)に、行くらしい。

その後も、

運転手「新幹線の切符は、電話で予約できるのか?」

運転手「切符はいくらくらいするのか?」

運転手「自由席と指定席で金額はどれくらい違うのか?」

運転手「切符は、JRの駅ならどこでも買えるのか?」

・・・等々、質問の雨あられ。

新大阪駅までのおよそ15分、

ずっと私には関係のない、

(そして、知らない)

博多へ行き方について、

聞いていたのでした。

・・・

いかがでしょうか?

誰かから「私のこと」について

質問されて答えていたはずなのに、

いつの間にか、

相手の興味のある話にすり替わっていた・・・。

そんな経験はないでしょうか???

あるいは、逆にあなた自身が、

「ゴルフされますか?」

「●●に行ったことはありますか?」

「きのうのテレビ見ましたか?」

本当は自分のことを、話したいのに、

導入部分だけ、相手に関心があるフリをして

会話を始める。

そんなクセがあったりしないでしょうか?

・・・

話すのがいけないとわけではありません。

でも、聴く時は聴く。

話す時は話す。

分けておかないと、

相手にしてみたら、

「何で私に話しかけといて、自分だけひとりで話してるの?」

会話泥棒!

と、思われているかもしれませんね。

気を付けましょう。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「聴きたいのか?言いたいのか?」

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