いつもありがとうございます。
昨晩は自宅で一人焼き肉をした、岩松正史です。
カウンセリングしながら、
「何を課題として提案しようか?」
ばかり考えている人がいる。
(昔の私自身もそうでした)
でも、本当は、
提案は「ただの入り口」。
大事なのは「提案したあと」。
私のカウンセリングはたぶん
折衷派ということになるけれど、
時間使い方として、
だいたいこんな風になる。
(ビジネスのコンサルでも流れは同じ)
面談時間が60分なら、
・関係づくり、相手の理解(40分)
・問題の定義、共有(2分)
・今回の課題の設定(5分)
・課題の日常化(10分)
・おわり
まず、
無条件に「相手の理解」に努める。
表出した問題より
何に引っかかっていて、
何に引っかかっていないか?
裏にある心の具合を全力で知ろうとする。
ガラスを触るように慎重に、
でも、理解に必要な関りは大胆に行う。
余計な意見やアドバイスは一切しない。
この人、独特の想い方の特徴は何か?
理解しようとする。
それを「気持ち」と呼んでいい。
それさえわかれば、
その人にとっての物理的問題と、
それを問題としなければならない
心理的問題の両方がわかってくる。
問題がわかったら、
相手にそのような問題認識でよいか
確認をとりながら共通認識を作る。
2分から5分もあればできる。
問題が定義出来たら、
先の方向性と、
今日から何をするか具体的に課題を決める。
多くのカウンセラーの失敗は
聴き始めた直後から、
受け止め方に不安を抱え、
「展開させなければいけない」
プレッシャーを感じながら、
課題を設定することばかり考えていること。
私からしてみれば
課題を決めてからこそが、
最も大事な真剣勝負の時間になる。
課題を決めたら、
その課題に取り組むことについて
本人がすっきり納得しているどうか
「スッキリ具合の確認」
を怠らない。
頭だけで理解された、
スッキリ心に入っていない課題は
何の役にも立たない。
課題に取り組む姿を、
本人はリアルに、前向きに
イメージ出来ているだろうか?
いつ、どこで、なにを、
どこまでやり、なにをしないか、
日常生活の中で取り組んでいる
自分の姿がいま目の前で見ているかのように
イメージが鮮明になるようにしていく。
・・・
先に解決したい問題があったとき
いま取り組まなければいけない
問題は真逆に見えるものもあるのが当然。
たとえば
過去の就労支援の経験からも、
アルバイト経験すらない
引きこもり状態だった人が、
正社員として働くという目標を掲げた時、
いきなり、正社員として
職探しを初めても
うまくいかないことは多々ある。
物事には順番があり
社会では、アルバイトすら
した経験がない人を
いきなり正社員にしようという
奇特な企業は多くない。
ならば、
いままでの不規則、不摂生な
生活スタイルを、まず改めるところから
始めないといけない。
そのためには、
正社員を目指すなら、
まずアルバイトの経験をたくさん積み
自信と実績を積む方が大切だったりする。
つまり、
「将来正社員を目指すからこそ、いまは正社員を目指さないほうがいい。」
ことがある。
これはわかりやすい例だけれど、
将来何かを目指すなら、
いまは一見それとは
全く関係なく見えることを
やったほうがいい、ということは多々ある。
・・・
ポジティブな出来事だけ妄想して、
起こりえるリスクに対処できる
イメージをちゃんと持っているだろうか?
カウンセラーは
クライエントが
「はい。わかりました、やってみます」
という言葉を聞いて
安心しているようではいけない。
そのセリフのなかに、
クリアなエネルギーを
感じているか入念にチェックする。
濁った、あるいはあいまいな返事であれば、
とことん、どこまでがクリアで
腑に落ちていて、
何に引っかかっているか?
確認し、クリアにしていく。
この作業が、最も重要であり、
表現は悪いがカウンセリングの中で
一番楽しい作業でもある。
「クリアに、問題解決に向けた課題なんて設定できないこともあるじゃないか」
と反論してくる人がいる。
その人は、そもそも
問題解決の定義を
勘違いしている可能性が高い。
問題には、少なくても2種類ある。
クライエントとともに設定した、
カウンセリングのテーマとなる
「今後解決していきたい先の問題」。
それと、
次回面談までに保って(または前進)
させておきたい、
本人の意欲と行動力を維持、
促進させるために、いま必要な問題。
大切なのは
カウンセラー自身
見立てを持ったうえで
一見関係なく見える課題でも、
小さすぎるような課題でもいいから
とにかく、
クライエントが心から
納得して取り組める課題を設定して
その日のカウンセリングを終えること。
(折衷派の)カウンセリングで
一番大事なのは
解決の方策を提案することじゃない。
最後の10分くらいの間に、
提案したあと、本人がスッキリした形に
整えていく作業に、全力を注ぐ。
方策の提案までは、あくまで助走。
・・・
もちろん、
カウンセリングには様々種類がある。
ロジャーズ原理主義の
カウンセリングを突き詰めるという道もある。
それはそれでいいでしょう。
一番マズいのは、
なんとなく色々混ぜること(混ざっちゃう?)。
会話の中から、
適当に思ったことを課題にしても
カウンセリングにはならない。
とにかく、
クライエントがすっきりしているか
確認を怠らないのがいい。
そのためには、
課題の設定からできるだけつまづかないよう、
話を聴く時間の6割くらいは
相手の理解だけに全力を注ぐしかない。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「相手のスッキリ感がすべて」
「まあ、とりあえず、やってみます」
なんて言われて、
ホッとしているようではいけない。
<お知らせ>
でも、一番いいのは、
カウンセリングなど
必要がない社会になることでしょう。
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