傾聴力を生かしたカウンセリング&コンサルティング11ステップ

傾聴はそれ自体が癒しや気づきにつながるものですが、
傾聴をベースにして問題解決につなげていくこともできます。

私(岩松)自身は、日常的に話を聴く時、
傾聴ボランティアや友達の愚痴をきく時の聴き方と、
カウンセリングやコンサルティングのときの聴き方は異なります。

前者では、ひたすら聴きその人自身の浄化作用や
関係性の中で「自由に自分になれる」ことを目指します。

後者では決められた時間の中で、
寄り添いつつ、問題解決に向けて
進めていくという方法をとります。

今回は、私が実際にカウンセリングや
コンサルティングの場面で行っている関り方を、
11のステップに分けてお伝えします。

①ラポールの形成(前半)

「聞ける関係づくりが重点課題」
・聴く姿勢、視線、態度、語調、主にうなずきあいづち、表情などをを通してお互いに自然に会話できる状態を作る

その中で

②ラポールの形成(後半)

支えながら寄りそう
・受容的態度をうなずき、あいづちなどを通し「十分に」伝える
・その中でポイントとなる感情のワードは「積極的に」くり返し、明確にする

③主訴の理解

・意味や価値、感情への質問をいれながら、相手からの回答にしっかりと共感、受容をしめす
・「あなたにとっての意味と価値」感じていることを明確に確認しながら寄りそいお互いに明確になっていく
・問題の主訴をお互いに共有し解決に向かう、離陸準備完了の段階

④支持しながら課題設定の模索

・飛行機で言うなら離陸前最後の安全点検
・主訴(叶っていない願望)と願望の両方を丁寧にくり返し支えながら
・以下の視点も交えて、課題設定への手掛かりを探す

*今まで取り組んできたこと
*うまくいったこととと、うまくいかなかったこと(両方)
*今やろうか考えていること
*これは絶対にできないと思っていること
*できればいいけれど、できないこと
*実行を阻んでいることへの想い
*何があれば可能で、何がなければ可能か
*そのこと(全体)についてどう思っているか

・「出来るようにさせる」視点ではなく、出来ないことが当然であるという視点で関わらないと説得になりがち
・「出来ないことにしっかり共感的に寄り添う」ことでクライエントらしい次の一歩が見つかる。
・これにはそれなりに熟練が必要

⑤課題の設定

・クライエントが自主的に課題を出すだけでなく、主訴と願望からカウンセラーが「その願いを叶えるために、このような方法もあり得るかと思ったのですけれど、どう思われますか?」
・課題の提案内容にクライエントが「頑張る」要素が入っているようなものではいけない
・小さくても明るい光が見え、そちらに向かいたくなるような提案をする
・誘導しない

⑥方策の決定

・課題の了解を得たら、具体的に何をするかを決める
・「できたらやってみて」では課題にならない。イメージが見えるよう具体的につめる
・「いつ、どこで、だれに、なにを、どこまでやるか」を決めると同時に、「何をしないか」決めることも重要

⑦日常生活への般化

・課題が決まって満足してはいけない、ここからが本当の勝負
・うまくいったときの流れを理解しているだけでは意味がない
・「(予想外に)もし状況がそのようにならないことはあり得ますか?その時はどうしましょうか?」「うまくいかかった時はどうしましょうか?」と、うまくいかない時のリスクを確認し、最低1つ対処法を決めておく
・できなかった時へのリスクがヘッジできていて、初めて人は課題に心のエネルギー高く取り組めることをしっていること

⑧最後にもう一度確認

・「じゃあ始めましょうか?」「何から始めましょうか?」「どこまでやりましょうか?」「何はしないことにしましょうか?」自然の会話の中で、お互いがイメージしながら確認をする
・ここまでできて初めて次のカウンセリングまでにどうなっていればよいか理解できている

⑨次回何をするか確認

・以下のことを伝えておく

「予定通りにできないこともあるかもしれませんが、次回・・・

*それが出来たとして、やってみて何が起こり、どう思ったか?
*できなかったとしたら、何があってできなかったのか?その時どう思ったか?
*そのほか予想外のことや、それを行う必要がなくなったりするかもしれません。その時は何が起きたのか?

・・・について教えてください」

⑩終わる前にもう一度共感を示す

・「今日お越しになってみていかがでしたか?」と感想の共有をする
・その会話の中で寄り添いながら、相手の苦労、努力されているところを「ほめるのではなく」相手が感じている程度に、深い共感を示す
・最後に一言、付け加えたければカウンセラーから見えた相手の良いところを「私にはあなたは●●な方に思えましたね」と、ほめたり励ますのではなく率直な気持ちをアイメッセージで伝えることもある

⑪終了

絶対にこうでなければいけないというわけではありませんし、
ここに書いたことですべてというわけでもありません。

主な流れとしてご紹介しました。

◆ポイント

私は心理カウンセリングだけでなく、
キャリア支援やビジネスのコンサルタントの仕事もします。

シチュエーションにより関わる深さ、長さ、
ポイントは若干(本当に若干)変わりますが、
人の心と脳の動きは同じなので、
基本的な流れはまったく同じです。

個人的には論理的思考も得意ですし、
課題設定の場面では認知行動的なアプローチもよく使います。

でも、どちらも心理的に落ち着いている
人にしか有効に働かないことは明らかです。

傾聴のマインドは、きく時だけでなく
何かを伝えるときにも生かすことができます。

「ビジネス」という言葉はもともと
「どうにもならない物をどうにかしていくこと」
という意味があるそうです。

傾聴せずに解決できる問題は、
はじめからその程度の簡単な問題です。

お互いにわからない、どうにもならない物を
どうにかしていくために、相手を理解するのに
傾聴は役立ちます。

<お知らせ>

聴くことにも、問題解決にも使える傾聴
 ↓
http://bit.ly/2qvtDuo

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■傾聴の参考になる動画

心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
  ↓
諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)

 ※岩松の個人的な趣味です
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