ある日曜日の朝、出張先のホテルで
チェックアウトしようとしたとき。
私がキーを出したのと同じタイミングで
フロントで電話が鳴った。
「少々お待ちください」といって、
従業員さんがその電話に出た。
「本日ですね。何名様でしょうか?」
やり取りから察するに、宿泊予約希望の電話らしい。
相手からの返答を待って従業員さんがこういった。
「申し訳ございません。本日、禁煙のお部屋はすべて満室でございます。」
日曜日というのはだいたい
どこの地域もは宿泊料も安いし、
他の地域は比較的すいているのに珍しいと思った。
それで話が終わって電話を切るかと思いきや、
まだ電話が続いた。
従業員さんの応答に注目し、想像力を働かせて聞いた。
「シングル以外も禁煙のお部屋は満室でございます。」
↑
(おそらく「シングル以外の部屋は?」と質問されたのだろう)
まだ電話が終わらない。
従業員さんは、続けてこう答えた。
「キャンセルが出ないと、わかりません」
↑
(「どうにかならないか?」と言われたのだろう)
まだまだ、続く。
「それはちょっと、その時になってみないとわかりかねます。」
↑
(「キャンセルは出るのか?」と質問されたのだろう)
・・・ここまで聞くとちょっとあきれてくる。
部屋がないのに、どうにかなるはずもなし、
キャンセルが出るかどうかなんて、わかるはずもない。
自分の都合を押し付けて、
質問しても仕方ないことを質問するなんて。
ホテルの従業員さんも大変だと、同情した。
でも、
・・・
本人がわかるはずもないことを質問する
というのは、ホテルではなくても、
意外と日常生活の中でもよくあることのような気がします。
以前、ちょっとした座談会の場で、こんな一幕がありました。
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例1
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(前略)
A子さん「それで、うちの主人が急に怒り出しちゃって・・・。いきなりだったから、なに?って驚いちゃった」
B子さん「それ、ご主人なんで怒ったの???」
「知るか!本人に聞け!」
と、いいたくなりませんか?(笑)
・・・なぜ主人が怒ったのかなんて、
わかるはずがありませんよね。
でも結構この手の質問をしている人を見かけます。
あるいは「それを聞いてどうするの?」というような
意味不明な質問をする人もいます。
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例2
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基本私は朝食を食べませんが、
たまに気が向いたときだけ食べます。
そのたまに食べた日、知人にあったときのこと。
私「普段朝食食べないんですけれど、今日久しぶりに食べました」
すると、知人はこう質問してきました。
知人「朝食を食べて、どんなお気持ちでしたか?」
・・・心の中で叫びましたね。
「朝食の気持ちなんて知るか!」
と(笑)。
聴き手の興味本位を満たすための質問ほど
鬱陶しいものはありません。
でも、コミュニケーションスキルを学んでいる人の中には
やたらと質問をしたがる人がいます。
「リフレーミングです」
とかいいながら。
普通の日常会話の中で、
リフレーミングなんてして欲しいでしょうか?
それをしたいのは聞き手の方です。
あなたは質問しても仕方ないことを、
興味本位で質問していませんか?
聴き手の満足を満たすために、
話させられるのは迷惑ですね。
質問する前に、まずは話していることを
そのままちゃんと理解し、受け止めて
聴いてあげたほうがいいのではないでしょうか。
それに、ちゃんとこちらの伝えたいことを
分かってくれている人からされる質問のほうが、答えやすいですよね。
質問するときは、明確な理由と
かなりの注意が必要です。
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