幸か不幸か、息子が通うそろばん塾は大型ショッピングセンターの中にある。
「幸」の部分は駐車場が広く、車がとても停めやすこと。
「不幸」の部分は、塾が終わると必ず同じフロアにあるおもちゃ売り場に行きたがること。
「見るだけはタダ」ということで、一応付きあうことにしています。
でも、ひとたびおもちゃを見れば欲しくなるのが人情。
その素直な心を止めるわけにもいきません。
「これ買って!これ欲しい!」
そういわれ続けているうちに、こちらも、自分を守る便利な言葉を身につけました。
毎回同じ駄々をこねる子どもに怒るのでもなく、玩具を買う羽目にもならない便利な言葉を・・・。
その言葉とは、
「サンタさんに頼みな!」。
この言葉を使えば夏でも冬でも、すべてを先延ばしにすることができます。
どうせクリスマスにはお父さんサンタがプレゼントを用意するわけですから、
本当にそれが欲しいならプレゼントすれば一回でおしまい。
小学1年生の息子の場合、この言葉を言うといまのところたいていあきらめてくれます。
でも本当に大事なことは、息子をあきらめさせることではありません。
「自分が納得できること」。
・・・
「自分の意に沿わない」
「考え方が違う」
そんなとき言い合いになることがありますね。
そんな時、コミュニケーション力をあげたいとする人の多くは、
「どうやって相手に納得してもらうか」
ばかり考えがちです。
それが間違いのもとです。
一番大事なのは、相手に納得してもらうことではありません。
「自分が納得すること」
です。
なぜなら、どんなに話し合っても相手が納得してくれないことは多々あるからです。
相手が変わってくれないなら、自分が納得できないというなら、それは相手に人生を預けてしまっている依存状態です。
「話せばわかる」
というのはウソです。
話し合っても分かりあえないことは多々あります。
なぜなら、相手には相手が大事にしたいものがあり、その大事にしたいものは私とは違うから。
分かりあうとはどういうことか?それは、
「あなたはあなたのままでいい。私は私のままでいい」
と認めること。
分かりあうとは、相手と自分を「同じ」にすることではなく、読んで字のごとく「分けあう」こと。
あなたはあなた、私は私としっかり分けられるから、お互いを認め合えるのです。
多くの人はその逆のことをしています。
だから人間関係がこじれます。
「サンタさんに頼みな!」
は子どもに納得してもらうことが主目的ではなく、子どもと自分の立場をしっかり分けるための言葉。
この魔法の言葉を言うことで、自分の潜在意志では
「もうこれ以上、子どもの話に付きあう必要もないし、子どもを責める必要もない」
と思える言葉なのです。
相手を納得させるためではなく、自分を納得させるための言葉を持っていると、
相手の態度や結果に左右されなくなるので、とても便利です。
そもそも、相手が納得していなくても自分さえ納得していれば
心の中に波風は立たたないので、相手との間の人間関係の問題は存在しません。
言い方を工夫することで、相手が納得してくれたら確かにラッキーです。
でもそれはおまけ。
そんな宝くじを買うような願い事にこだわるよりも、自分が納得できる言葉を持ちましょう。
相手のことはよくわからりません。
でも、自分のことは自分が自分から目をそらさなければしっかり見えてきます。
自分が納得できる、便利な言葉をたくさん持つと人間関係は楽になります。
「自分が楽で居られる方法は、自分の中にある」。
相手に意識が向きすぎると軸がぶれます。
それは心理カウンセリングも同じです。
相手と向き合っているときの自分に注目するからうまくいきます。
自分中心に考えてみましょう。
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