5年ほど前、同じ記憶法を教えている、知人である講師と一緒に
大阪のなんばを歩いていました。
その人も私同様、普段は東京にいる人です。
土地感がないなんばの街を、道ががわからないオジサンが二人で、
トボトボ目的地を探して歩いていたわけです。
歩きながら知人が言いました。
「方向音痴(音痴)なので、岩松さんが頼りです」
いくら方向音痴といえども、スマホがある時代、
地図アプリを見ながら行けばそう道に迷うこともないのでは?
そう伝えてみると、「地図アプリ自体の見方がよくわからなくなる」そうで(汗)
かなり重症の方向音痴なんだと、そこで初めて理解しました。
・・・
しばらく歩いていると、街中にカラオケボックスの看板が見えました。
なにげなく「カラオケとかしないんですか?」と知人に訊いてみました。
すると、知人曰く、「そっちの方も音痴なんもので、歌いません・・・」と。
方向音痴と歌の音痴。
そんなの関係あるか?と思っていると、知人が続けます。
「妻も方向音痴で、歌も音痴なんです」。
そこまでいわれると、もしかして方向音痴と歌の音痴は関係あるのかもと思ったのでした。
あれから5年。
ある脳科学の本を読んでいたら、ついに見つけてしまいました。
「音痴の人は空間認知能力が低い」という研究結果を。
・・・
ニュージーランドのオタゴ大学のビルキー博士らの報告です。
メンタル回転という空間認知の試験をした結果、
音痴の人の正解率は通常の半分以下であることがわかりました。
またロンドン大学のバタワース博士は
「もともと音階は空間として表現される」としています。
確かに音符は楽譜の上に高い低いで書かれますね。
さらに、
リバプール大学のスラミング博士らは
「オーケストラ楽団員たちは空間能力が高い」ことを報告しています。
(参考:池谷裕二「脳には妙なクセがある」P181~)
記憶力はいいけれど、地図が読めない知人にいてあげたい。
「あなたは正しかった!」と(笑)。
一見関係ないように見えて、実は関係が深いものというのは、
他にもたくさんありそうですね。
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