夏休みで暇を持て余している息子が持ち運び式ゲーム機のお絵かきソフトで遊んでした。
そのうちこちらにやって来てこう言った
「きのこの山、描いて!」
(そんなの最近、食べていない・・・)
一瞬「えっ!?」と思ったけれど、見ると、すでに画面には、きのこの山のサンプルが載っていた。
それを見ながら、マネをして描いたら簡単にできた。
10秒もせず模写をし終わった私をみて、息子がつづけてこういった。
「じゃあ次は横に、たけのこの里描いて!」
・・・
皆さんご存知でしょうが、きのこの山とたけのこの里は、兄弟商品。
形は違うが味は似ているお菓子。
似ている物なんだけれども、私は困ってしまった。
なぜなら、たけのこの里のサンプルの絵はなかったから。
そして、たけのこの里は特に大好きでもないから、あまり記憶に残っていない。
食べたことがあるからと言って、絵に描こうと意識で観察したことがないので、
ちゃんと記憶に残っていなかった。
結局私は、たけのこの里か?ただの竹の子か?わからない「たけのこ風」なものを
適当なものを描いて誤魔化して、その場を立ち去った。
・・・
「人の話なんていつも聴いているよ」と簡単そういう人がいます。
確かに毎日、話を聞く機会はたいていだれにでもありますね。
では、いつも聴いているから「聴けているか?」というと、それは別問題です。
「目的」を持って聴かなかれば、ただ聴き流しているだけ。
あとで絵に描こうと思って、たけのこの里を見た経験があれば、きっともう少しまともに描けたでしょう。
たけのこの里を食べた経験はあります。
でも「食べたことがある」「見たことがある」ということと、それをちゃんと理解している同課は別問題です。
傾聴も同じです。
たくさん人の話を聞いたことがあれば聴き上手かというと、それは無関係です。
「何を聴こうか?」「どうかかわろうか?」を先に決めて、その意識で聴かなければ何もできません。
傾聴の場合は、「寄りそおう」「支えよう」「そのままを受け止めよう」という、
明確な目的をって聴いくから、初めて傾聴力が上がります。
①経験が少ないことはやりづらい
(→大人の脳は体験を伴うことによるエピソード記憶にすると強化されやすい)
②目的をもって取り組んでいない経験は役に立たない
(→「網膜に移っていることと、脳が認識していることは別)
③それをして(されて)感動した経験があると、学習効果が高くなる
(→感動は偏桃体を動かし、すぐ横にある記憶をつかさどる海馬を刺激する)
④上達への最高の近道は、出来ている人の見てマネをすること
(→脳の理解回路は①発想+②情報の連結のみ。モデリングすることはその両方をサポートしてくれる)
また、自身が傾聴してもらってよかったと感じた経験がない人が、
傾聴上手になることは不可能です。
感動こそ深い理解につながる、最高のスパイスです。
・・・
私はたけの子の里を食べて感動した経験がありません・・・。
いつもパクパク無意識に口の中に放り込んでいます。
だからなにも印象が残らないのでしょうね。
自分らしく生きたい人にこそ、本気でそれが出来ている誰かを
「見て」「マネする」のがおススメです。
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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)